「親戚は全て離れていきました」――元ハンセン病患者の女性が向き合った差別と時代
「自分の家族のこと、たいへん素敵だと思っているんですよ。絆がバッチリできている」。激しい差別に苦しんできた元ハンセン病患者の女性は、そう言い切れる喜びを心から感じているという。いわれなき差別、思いもかけぬ事故、消えぬ戦争の傷あと……。平成の終わりが近付いても、昭和から続く時間の中で多くの人が「いま」と向き合っている。
「孫娘が『ばあちゃん、差別する側が間違っている』って」
神経の麻痺や皮膚の斑を引き起こすハンセン病はかつて、「不治の病」「簡単に感染する」と恐れられ..