狩猟と有害獣駆除のはざまで―野生動物と生きる「食猟師」の葛藤
「料理人が好奇心を抱くようなものに仕上げないと価値がない」。
自ら「食猟師」を名乗る小野寺望さん(51)は言う。
野生鳥獣による農作物被害の深刻化を受け、国や自治体がジビエ産業の振興に取り組んでいる。しかし、「有害獣駆除」と「ジビエ」の両立は、一筋縄ではいかない。そのはざまで生きる食猟師を追った。
猟師の一日
朝7時。小野寺望さんは、愛犬マツ吉を助手席に乗せると、その日の狩り場へ向かった。
集合場所には10人ほどの猟師が集まっていた。手早く打ち合..