「1学校1プール」かさむ維持費...悩める改修

長良小学校(岐阜市)のプール建設の計画中止を巡って白熱した今月の同市議会。建設費が3月に議決されたにもかかわらず、入札不調を口実に市教育委員会が方針を変え、市が中止を前提に建設費分を減額する補正予算案を提出したことが引き金となった。

結局、関連予算を除外し、議論をやり直すことで決着した。県内には既に水泳の授業を、校外での実施に移した自治体もある中で、使うのが夏季に限られる割に維持管理費がかさむ学校プールを今後、どうしていくのか。

「説明が十分ではなかった。真摯(しんし)に受け止める」。

市教委担当者は市議会で複数の議員から追及を受け、陳謝を重ねた。政策立案の過程を踏まず、中止ありきの補正予算案が出されたことを議会は問題視した。ただ、これからもプールを建て替えて「1校1プール」を維持するかについては、意見が分かれた。

岐阜市内では校舎や体育館の建て替えのため取り壊した長良小を除き、全ての小中学校にプールがある。市教委によると、半数に当たる34校が築30年以上で、うち50年以上も8校と老朽化が進む。

夏場の約2カ月間でも、近年は猛暑による熱中症リスクや長雨で子どもたちが安全に利用できないとして、プールを使える日自体が減っている。

海津市教育委員会は学校プールについて昨年9月、今後大がかりな修繕や建て替えといった施設の更新をしない方針を示した。その年の夏、同市の石津小学校ではプールが傾き、使用できない事態になっていた。建設から50年以上がたっていた。

海津市は、25メートルプールを新たに造ると約1億5千万円がかかると試算した。市教委の担当者は「昭和40年代から50年代に造られたプールが多く、改修が必要になるが、それだけお金をかけて建てても実際に使える日は限られる」と話す。

石津小の子どもたちはその夏、市が指定管理する施設のスイミングクラブで水泳の授業を受け、インストラクターの指導で学んだ。岐阜市教委が模索していたのも子どもの泳力向上を狙いにした民間委託だった。

関市の中学校でも、維持管理にかかる多額の費用と利用日数の減少のため、2018年に1校、昨年は3校が校外の施設で授業を行った。

今年は新型コロナウイルスの影響で取りやめたものの、4校に増やす予定だった。ただ、いずれも生徒数の少ない学校で、市教育委員会教育総務課の後藤勝巳課長は「施設までバスで移動することもあり、一度に2時間を確保する必要がある。時間割の編成を考えると、生徒数の多い学校で同じ方法を取るのは厳しい」と話す。

学習指導要領で水泳の授業は、小学校では必修だ。

岐阜市には小学校が46校あり、児童数が100人未満の小規模校から800人近い大規模校まで幅広い。老朽化で使用できなくなった場合を見据え、今後は公営や民間施設の活用、複数校の共同利用などの方法から最善策を探ることになる。市教委の早川三根夫教育長は「学校プールへの問題意識は持ち続けている。丁寧な議論で方向性を打ち出したい」と話す。

岐阜新聞社




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