減らないプルトニウムに懸念 「消費先」プルサーマル進まず

再処理工場で使用済み核燃料から取り出されるプルトニウムは核兵器の原料にもなり得るため、必要量以上の保有は許されない。

ただ、「消費先」としてウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電は進んでおらず、工場の先行きは不透明だ。

日本は、2018年末時点で45.7トンのプルトニウムを保有。

平和目的に限定することで、国際的にも認められてきたが、北朝鮮やイランの核開発を受け、国際的なプルトニウム監視が強まった。内閣府の原子力委員会は同年、保有量を減少させる「基本的な考え方」を策定。再処理工場の稼働に当たっても、プルサーマルとのバランスを重視する方針を示した。

電気事業連合会は、プルサーマルを16~18基で実施する目標を掲げているが、実績があるのは事故で廃炉となった東京電力福島第1原発3号機を含む5基のみ。再稼働そのものが進んでおらず、目標にはほど遠い。

NPO法人原子力資料情報室の松久保肇事務局長のシミュレーションで、30基の原発が稼働(うち17基がプルサーマル)し、再処理工場は年800トンのフル稼働という「理想的」条件下でも、2060年時点で現状とほぼ同じ43トンのプルトニウムが残ることが分かった。

18年末に1万8000トンあった使用済み核燃料は、1400トンに減る一方、処理の具体的なめどが立っていない使用済みMOX燃料が3800トン生じる。

松久保さんは「当初は資源の有効利用が目的だったが、今となってはプルトニウムはコスト高の厄介者だ」と指摘。「持っていれば国際的に非難され、使えばより有害な使用済みMOX燃料が生じる。速やかに計画から撤退すべきだ」と訴えた。 




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