免疫力の低下=漢方では「気虚」 免疫力をサポートしてくれる食材は

前回までは、健康的な食事の基本と悪い習慣をやめることの大切さをお伝えしてきました。第3回の食薬講座では、免疫力アップのために意識的にとるとよい栄養素についてお伝えしたいと思います。

■免疫力の低下=漢方では「気虚」

漢方では免疫力を高めることを「気を補う」と表現します。

「気」といわれてもよく分からない方もいると思います。働きとしては免疫力を高めるほかに、体を動かすためのエネルギーを作ったり、体温を維持したり、細胞の修復をしたりと、体にとってなくてはならない働きをしています。

「気」の考え方では、免疫力が低下し体調を崩すことを「気虚(ききょ)」といいます。特徴として、(1)体温が低い、(2)冷えやすい、(3)疲れやすい、(4)傷の治りが遅い、(5)喉などの粘膜が弱い-といった症状を感じやすくなります。

この「気」を補う栄養素には、ビタミンD、ビタミンA、亜鉛、セレンなどが該当します。

サプリメントで補ってもよいのですが、毎日食べている食事に組み込むのが一番簡単な方法だと思うので、代表的な食材を紹介していきますね。

■免疫力のサポートをする食材

食事はあくまでもサポートです。食材を選ぶときのヒントにしていただけると良いと思います。

【ビタミンD】

自然免疫と獲得免疫の両方の調整に働きます。ビタミンDが欠乏しているときには、呼吸器感染症のリスクが増すと言われています。

効果が期待できる食薬は、きくらげ、イワシ、サケ、イクラ、サンマ、シイタケ、シラスなど。

【ビタミンA】

粘膜を強化し、免疫機能を増強する働きがあります。

効果が期待できる食薬は、レバー、卵、人参、ホウレンソウ、春菊、ホタルイカ、うなぎなど。

【亜鉛】

亜鉛が欠乏しているときには、ウイルスや細菌などへの感染症のリスクが増すと言われています。

効果が期待できる食薬は、牡蛎、牛肉、タラコ、ラム肉、ホタテ、高野豆腐、納豆など

【セレン】

抗酸化作用や抗炎症作用があり、免疫機能の強化につながると言われています。

効果が期待できる食薬は、カツオ、アジ、ブリ、つぶマスタード、ピーナツ、シシャモ、ホッケなど。

どれも献立が組み立てやすい身近な食材です。食べるサプリだと思って取り入れてみてくださいね。

また、「気」を直接補うわけではありませんが、食物繊維や発酵食品などの整腸作用が期待できる食材もおすすめです。腸内には免疫機能に関わる細胞の7割以上が存在すると言われているので、腸内環境を整える食材もあわせてとるようにしましょう。

■大久保愛(おおくぼ・あい) 

1985年生まれ。秋田県出身。2008年昭和大学薬学部卒業。「アイカ製薬」代表取締役。薬剤師/薬膳料理家。漢方専門家として商品開発や企業コンサルティングに携わる。近著『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がベストセラーに。おうちで薬膳を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズ発売中(https://aika-inc.co.jp/)。




http://www.zakzak.co.jp/lif/news/200715/hea2007150001-n1.html