リフォーム会社が職人に見舞金10万~30万円 給付金「当てにできず」

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた取引相手に対して、見舞金を支給する中小企業が横浜市栄区にある。

住宅リフォーム会社の「さくら住宅」は外注先の職人四十人に一人十万〜三十万円を数回ずつ配り、総額は約一千万円に上る見通しだ。

二宮生憲(たかのり)社長(73)は「一緒に働く職人は社員同然。その生活を守るのは経営者として当たり前」と話す。 (編集委員・久原穏)

さくら住宅をコロナ・ショックが襲ったのは三月ごろだった。

リフォームは住居に入る作業だけに、感染の心配から受注が激減。だが、二宮社長がまず気掛かりだったのは職人らの生活費だった。「仕事がない状況がいつまで続くかわからない。不安でたまらないだろう」と案じた。そこで、職人一人当たり十万〜三十万円の見舞金を家族の人数に応じて、仕事が戻るまで贈ることを決めた。

見舞金の原資は、緊急時のために蓄えてきた利益剰余金だ。

リフォーム業界は大手の競争が激しく、中小は総じて業績が苦しい。だが、さくら住宅は大手が断るような安い単価でも仕事を引き受けてきたため、リピート客が多い。宣伝広告費の必要もなく、剰余金は資本金の三倍以上の約三億五千万円(不動産も含む)にもなっていた。

「会社も大変な時なのに、本当にありがたい」。

見舞金の入った封筒を手渡された職人は、思いがけない収入に涙ぐむこともあるという。すでに一回目を配り終わり、二回目の準備を進める。

中小企業や個人事業主の支援を巡っては、最大二百万円を支給する国の持続化給付金の制度が遅ればせながらできた。二宮社長は「いつ支給されるかわからず、当てにしなかった。会社も支給を受けられるが、もっと困っている会社に回してもらう方が良いので申請することはない」と話す。

中小企業の経営に詳しい坂本光司・元法政大大学院教授は「さくら住宅は立派。戦後の不況は平均すると十五カ月(一年三カ月)続く。だから社員を大切にする経営者なら一年半分の人件費は積み立てておくべき」と指摘する。

<持続化給付金の支給遅れ> 

政府は、コロナ禍で売り上げが今年1月以降のいずれかの月で前年同月から半分以上減った中小企業に最大200万円、個人事業主には最大100万円を手当てする持続化給付金の申請を5月1日に開始した。

しかし、安倍晋三首相が「1日に申請した人は早ければ8日に支給」と表明したものの、実際の支給が3週間前後になった事例も相次いだ。後から申請した人の方が先に支給された例もあり、象徴的に「5月1日申請問題」ともいわれた。




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