【特集】「アルビノ」に生まれて...白い肌に金髪の少女 “堂々と生きて“と願う母

生まれつき皮膚や髪の毛が白い人たちのことを「アルビノ」といいます。アルビノは遺伝子の変異によって約2万人に1人に起きるといわれています。そんなアルビノとして生まれた少女に密着しました。

大敵は紫外線

元気よく走っている関口真依さん(10)、彼女は「アルビノ」で生まれつき皮膚は白く、髪の毛は金髪です。先天的に全身のメラニン色素を十分につくることが出来ないためです。

Q.学校の教科は何が好き?
「体育…と図工。国語はあんまり…字を書くのがめんどくさいから。」(関口真依さん)

勉強をする時は、いつもおでこが机にくっつくぐらい近づいて書きます。アルビノは、視力が著しく低いという症状があります。

Q.プリントの文字は見えてる?
「小さい文字はここまで(おでこが紙に付くほど)見ないとわからない。」

また、瞳の色素が薄いため、目に入る光の量をコントロールをできず、常にまぶしい状態が続きます。視野は狭く、ぼやけて、光を強く感じるといい、このため大好きなゲームをする時もカーテンで日光を遮り、テレビ画面にすごく近づかないと見えないのです。家の中が薄暗いのは真依さんにとって快適な環境を作るためです。

Q.電気はつけない?
「日中はそうですね。私はいつも朝起きたらカーテンを開けて朝日を入れるんですけど、この子がおりてきた時点でカーテンを閉めて。電気は真依の気持ちかな、ちょっと見えやすい見えにくいでつけたり切ったり。」(母 千佳さん)

アルビノにとっての大敵は紫外線です。皮膚が白いため紫外線に弱く、日に焼けると真っ赤に腫れます。外出時は、帽子・サングラス・長袖などを着用し日焼け対策を徹底します。しかし、夏はやはり暑いようで…

「めっちゃ暑い…。(髪の毛をアップに)こうしておきたい、首丸出しでさ。どうせなら半袖がいい…」(関口真依さん)

「わからないことまみれ」手探りの子育て

2008年、妊娠29週という早産で生まれてきた真依さん。わずか636グラムという体重でしたが、母親の千佳さんにとって流産と死産を繰り返した末の念願の子どもでした。アルビノとわかったのは、生後1か月が過ぎたころでした。

「『お母さん気付いてました?金髪なの』って言われて改めて、ああそうだなと思って。色素がないのでいわゆるアルビノですって。想像が全然できない…金髪で色白の子がどうやって育っていくかとか、金髪とかより紫外線カットしてどうやって生きていくのだろうとか、夜しか公園に出られないってどういうことだろうとか、わからないことまみれで…」(母 千佳さん)

その後、両親は少しずつアルビノの情報を集め、手探りながらも真依さんを育ててきました。真依さんは小学5年生、今は地元の学校に通っています。何ごともみんなと同じように一度はやってみたいという真依さんを両親は見守ってきました。しかし、成長とともに環境は変わってきました。

(母 千佳さん)「そのときさえ元気に過ごしてくれたらいいって思ってたけど、今は大きくなってきたから将来が見えてきて、将来よな…」
(父 泰介さん)「進路どうしようかなとか」
(母 千佳さん)「どんな仕事に就けるかなとか」

相談者は“白くま”さん

そんな真依さんと家族が頼りにしている人がいます。

アルビノの情報を発信している“白くま”こと、石井更幸さん(45)です。石井さんは15年前から自らのアルビノの経験をブログにつづる一方で、全国の当事者や家族からの相談にも乗っています。

真依さんが幼いころから親身にアドバイスをくれたのが石井さんでした。この日、2年ぶりに石井さんと再会した真依さん、質問が止まりません。

(真依さん)「白くまさんって髪の毛は前から白だったの?」
(石井さん)「前は黒く染めてた。」
(真依さん)「白くまさんって肌白かった?」
(石井さん)「ずっとこれだよ、生まれたときから。変わらないから自分のタイプは。」
(真依さん)「じゃあ日焼けしてたってこと?」
(石井さん)「日焼けして火傷ばっかりしてたね、子どものころは。」

当時はアルビノの情報がほとんどなく診断できる医師も少なかったため、石井さんは26歳まで自分がアルビノだとわからなかったといいます。祖父からは白い髪の毛を「みっともない」と言われ、黒に染め続けていました。

「髪の毛もずっと染めさせられていたので、嫌だったんですよ、自分を偽っているようで。アルビノっていう症状がわかってこの白が自分だってわかった時に、初めて家族を呼んでこれが私なんですと、もう偽って生きるのは嫌だと。だから髪の毛をもう染めるのはやめますと。」(石井更幸さん)

当事者が語る“社会の壁”

アルビノの人たちの中心的な存在の石井さんは、全国のアルビノ当事者に積極的に会いに行き、交流を深めています。

【アルビノの人たちの会話】
「一貫してすぐ顔を覚えられるから常連扱いしてくれるって。」
「それはアルビノあるあるだね。」
「最近、観光地に行くと英語で話しかけられる。」
「あっ俺も!」
「あー!ある!」

明るく話す一方で、彼らはその特徴的な見た目や弱視のために壁にぶつかることも多いといいます。

「接客業とか表に立つような仕事になると向こうの反応はよくない。実際、自分が就活してすごく感じた。一般人と一緒にってなると、やっぱりこの見た目っていうのは結構きついかなっていうのは非常に感じました。」(アルビノの20代会社員)

「もともとは言語聴覚士っていう医療職を目指して今の大学に入った。やり方を知ってたら小学生でもできるような検査もあるが、それが視力的に難しくて、結構悩んだんですけど断念して、心理学科に移った」(アルビノの20代学生)

これから徐々に社会との関わりが増えていく真依さん。母親の千佳さんは、ありのまま堂々と生きていってほしいと願っています。

「アルビノじゃなくて、普通の子って言ったらおかしいけど、日焼けができて目も悪くない真依ならどうだったのかと思うこともあるけど、やっぱりあの子がいい、アルビノの真依がいいかなって思います」(母 千佳さん)




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