浜名湖水産物、長引く不漁 藻場を再生、資源回復へ

多種多様な生物が生息し、豊かな漁場として知られる浜名湖で主軸のアサリ以外でも漁業の低迷が続いている。

アサリを除く主要29種の2018年の漁獲量は過去最低だった17年をわずかに上回ったものの、115・9トンで2番目に少なかった。

気候変動や周辺の開発に伴う複合的な環境変化の影響とみられる。漁業関係者は資源の適切な管理とともに、海洋動植物を保護する藻場再生に乗り出した。

静岡県水産技術研究所浜名湖分場(浜松市西区)が6月末までに、浜名湖の水揚げの9割超を占めるアサリ以外の総漁獲量をまとめた。

主な対象は特産のクルマエビや大型カニのノコギリガザミ、ウナギ、コノシロなど(養殖は含まない)。17年の109・1トンから微増(6・2%)となったが、水揚げはこの10年で半減。深刻な不漁に直面するアサリだけでなく、資源減少は多種にわたる。

同分場の担当者は「浜名湖の漁業生産量は1989年ごろをピークに長期的な減少傾向にあり、湖面漁業が続くよう支援していく」と話す。水質や生息生物の変化などを分析し、種苗育成と乱獲防止を通して資源回復を図る。

地区別漁獲量が最も多い浜名漁協雄踏支所(同区)の野嶋宣夫支所長は「水揚げが減り、複数種の稚魚や稚エビを放流している。今後はアマモの増殖にも取り組む」と打ち明ける。不漁の要因として(1)水温上昇(2)栄養分減少(3)塩分濃度上昇(4)河川からの流入水量減少-などが考えられるという。

浜名湖は海とつながり、海水と淡水が入り交じる汽水湖。さまざまな生物のすみかや産卵場所になる海藻のアマモの減少が目立つため、地元漁業者が中心になって勉強会を始めた。移植による藻場再生を目指す。


<メモ>浜名湖 

総面積約70平方キロ、周囲約128キロの汽水湖。浜松市と湖西市に位置し、長さ約200メートルの今切口で遠州灘とつながっている。魚類や軟体動物、甲殻類など840種類以上の生物が確認された豊かな生態系を誇り、古くから漁業が盛ん。湖内と周辺地域でウナギやノリ、スッポンなどの養殖も行われている。アサリの水揚げは年によって増減があるが、長期的に減少傾向にある。




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