美まつげの裏に潜む危険=緑内障治療薬による目のトラブル

まつげを濃く、長くするための美容液として、緑内障治療の点眼薬をインターネット通販などで購入する人が増えているという。

松本眼科(奈良県大和郡山市)の松本拓也院長は「本来の使用目的以外で医薬品を使用するのは危険ですので、絶対にやめてください」と注意を喚起する。

◇緑内障治療薬の副作用

緑内障は、主に眼圧が高くなることで視神経が障害され、視野が狭くなる視野狭窄(きょうさく)や部分的に見えなくなる視野欠損などの症状が表れる病気だ。

そのため、治療では眼圧を下げる点眼薬が使用されるが、薬には副作用が伴う。

例えば、点眼薬の一つであるビマトプロストには、緑内障の治療効果とは別に、まつげの毛包が刺激されて毛周期が長くなる、メラニン色素の合成が促されるなどの作用がある。毛周期が延びると、まつげが自然に抜けるまでの期間が通常より長くなるので、まつげが伸びて、本数も増える。

松本院長は「こうした副作用のある薬ですが、睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)の治療薬として同じ成分の薬が処方されることはあります」と話す。

◇痛みや充血、黒ずみも

ところが最近、この点眼薬や、同じ成分が含まれた薬品をまつげの美容液として使うケースが散見されるという。個人輸入やインターネット通販などで購入するようだ。

松本院長は「海外製品の中には、薬剤の有効成分の含有量が厚生労働省の定めた基準値を超えているものもあり、トラブルが起きやすいのです」と指摘する。

まつげだけに塗ったつもりでも汗などで薬剤が流れ、皮膚や目に広がり影響を及ぼす。角膜が傷つくことによる目の充血やかゆみ、痛み、異物感、色素沈着によるまぶたの黒ずみなどが生じて、眼科を受診するケースが少なくない。

症状の多くは使用を中止すれば治まるが、瞳の周りにある色の付いた部分(虹彩)に色素が沈着してシミができてしまった場合は、かなり目立つが元に戻らないという。

松本院長は「緑内障治療薬の多くは、角膜に傷が付きやすいという注意事項の記載があります。緑内障の治療であれば医師が常に観察し、痛みなどが発生した場合は他の薬へと切り替えることができますが、美容のためにと軽い気持ちで個人的に使用すると、取り返しのつかない事態を招くこともあり得ます」と、安易な使用に警鐘を鳴らしている。




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