セブン、揺らぐ足元=加盟店疲弊、高収益モデル岐路に

コンビニエンスストア最大手セブン-イレブン・ジャパンが加盟店の不満の声に押され、足元を揺さぶられている。

1970年代にコンビニのビジネスモデルを確立し、高収益企業に成長したセブン。その陰では加盟店が収益悪化や深夜営業などの負担に悲鳴を上げ、本部への不信を募らせる。昭和の成功モデルは時代の変化で制度疲労を起こし、持続可能性に黄信号がともり始めている。

◇本部は最高益

セブン&アイ・ホールディングスが4日発表した2019年2月期連結決算では、中核企業セブン-イレブンの営業利益が8期連続で最高。営業総収入に対する営業利益の比率を示す「営業利益率」こそ、28%と前期比微減となったが、イオンや三越伊勢丹ホールディングスの2%程度をはるかに上回る。

井阪隆一セブン&アイ社長は利益率低下に「既存店売上高の伸び鈍化などが要因だ」と不満げだが、セブン-イレブンの数字が他社と比べ桁外れであるのは間違いない。

高い利益を支えているのは、店の粗利益を会計上膨らませた上で、高率のロイヤルティーをかけて吸い上げる独自のモデルだ。ロイヤルティーは加盟店から経営指導料などとして徴収している。

しかし足元に目を転じると、加盟店の経営は苦しくなる一方。

店舗数は2万を超え、全店の合計売上高は5兆円近くに達したが、1店舗の1日の平均売上高は30年近く前からほぼ六十数万円で頭打ちだ。他社だけでなく、増殖する自社のコンビニにも客を奪われ、収益が伸び悩んでいる。

◇オーナーは悲鳴

本部は店が増え、全体の売上高さえ伸びれば収入は増える。だが、店員の人件費を負担する加盟店は収入が伸びない中で人手不足や賃金上昇にあえぎ、採算は悪化するばかり。東京都のあるオーナーは「約10年前と比べ人件費が2~3割上がり、取り分は下がっている」と嘆く。

最近、客が少ない深夜の閉店を求める声が一部で噴き出したのは、こうした環境変化に伴うオーナーの疲弊と無縁ではない。

3月に経済産業省が公表した各社加盟店対象のアンケートでも満足度の低下は明らかで、同省は大手4社に人手不足対策などを策定させる方針だ。不満を放置すればビジネスモデルそのものが足元から崩壊しかねない。

本部側も加盟店支援の必要性は意識し始めている。

17年にはロイヤルティーを1%減額。今年3月には24時間営業をやめた大阪府の加盟店とのトラブルを受け、時短営業の実験にも乗り出した。

各地で役員とオーナーとの対話も増やす予定で、セブン-イレブンの永松文彦次期社長は「オーナーとのより緊密な意思疎通を図ることが非常に重要だ」と強調する。

ただ、一段のロイヤルティー減額や時短営業の選択制などに踏み込めば、本部の収益低下は避けられない。加盟店への配慮と収益維持というジレンマの中、経営陣は難しいかじ取りを迫られている。




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