確定申告の医療費控除、10万円未満でも対象に 総所得200万円未満が条件

2018年分の所得税の確定申告が18日から始まる。年間の医療費の自己負担分が10万円以上になった場合などに超えた分を課税対象から差し引ける「医療費控除」は、10万円未満でも低所得者は税金が戻ってくる可能性がある。控除を受けられるかどうか、いま一度チェックしたい。 

医療費控除は、年間に支払った医療費の自己負担分の総額が十万円以上、または総所得の5%以上になった場合、どちらか少ない額の超えた分を総所得から差し引ける。生計をともにする家族分も合算でき、控除額の上限は二百万円。

総所得が二百万円未満の人は医療費総額が十万円未満でも、対象になる可能性がある。

例えば、収入が年金のみで年間二百二十万円の場合、公的年金控除を除いた総所得は百万円で、その5%は五万円。医療費が八万円かかったとすると、三万円が控除される。

医療費には入院や通院費のほか、不妊治療や歯科のインプラント、視力矯正のレーシック手術など保険適用外の自費診療も計上できる。ただ、美容整形や人間ドックの検診費など、予防や美容目的は対象外。

介護の費用も対象で、訪問看護など介護保険の医療系サービスのほか、介護施設の利用料や食費、居住費も計上できる。

愛知県内の医師や歯科医師でつくる同県保険医協会事務局次長の日下(くさか)紀生さん(55)は「十万円未満でも対象になると知らない人は多い。申告しないと控除は受けられないので、もっと周知が必要」と指摘。協会のホームページや税金の制度をまとめた冊子などで積極的に情報発信している。

医療費控除とは別に、一七年分の確定申告からは、特定の市販薬を購入した際に控除が受けられる「セルフメディケーション税制」が導入された。医師の処方が必要だった医薬品から市販薬に転用された「スイッチOTC薬」と呼ばれる薬が対象で、年間一万二千円を超えた分が控除になる。対象の薬はパッケージに識別マークがある。医療費控除とは併用できず、控除額が多い方で申告したい。

確定申告は三月十五日まで。国税庁のホームページの「確定申告特集」で申請書類や手引などを印刷できるほか、税務署でも入手できる。確定申告に関する相談は最寄りの税務署へ。

◆まとめた冊子発行 税金控除など丸わかり

税金の還付や社会保険料の減免、就学援助などは原則申請する必要があるが、制度が複雑で、対象になっているのに利用できていない人も少なくない。愛知県内の労働組合や医療、福祉関連団体などでつくる同県社会保障推進協議会は制度を分かりやすくまとめた冊子「知ってトクする! 医療・介護・税金の負担軽減策」二〇一九年版=写真=を作成。三年ぶりの改訂版で、積極的な活用を促している。

控除の基本的な仕組みや医療、介護でかかった高額療養費用の還付、災害や失業などの際の社会保険料の減免など項目に分けて説明。見逃しがちな支援制度も列挙している。

愛知県の独自制度を盛り込んだ「愛知版」と、これをもとに全国保険医団体連合会が発行する「全国版」の二種類があり、いずれもA5判、二十八ページ。

協議会に加盟する同県保険医協会が希望者に郵送する。八十二円切手二枚と、送付先の住所と名前を書いたA5判が入る返信用封筒を同封し、〒466 8655 名古屋市昭和区妙見町19の2、愛知県保険医協会へ送る。二冊以上は一冊につき八十二円切手一枚を追加。愛知版と全国版のどちらを希望するか明記する。




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