ヒートショックにご注意 静岡県内、高齢者相次ぐ

急激な温度変化によって血圧が大きく変化し、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「ヒートショック」で救急搬送される高齢者が、この冬も静岡県内で目立っている。

昨年11月以降、管内で2人が死亡した浜松市消防局は、一般向けの救命講習で原因や症状などを伝えるとともに、対応方法の助言などに力を注ぐ。

2月上旬、同市消防局で開かれた救命講習には市民15人が参加した。暖房の効いた部屋から寒い浴室などに移動することが引き金となるヒートショック。

講師の職員は「心停止の多くが浴槽の中で起きる。顔が湯船に漬かり、窒息することが多い」と経験を踏まえて語り、「高齢者がいる家族は時々声を掛けて確認してほしい」と注意を促した。

参加者は専用の道具を使い、胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)などの蘇生法も学んだ。

同市消防局管内は昨年8月から1月までの半年間で65歳以上の高齢者31人が浴室・トイレで脳疾患や心疾患などヒートショックの可能性があるとみられる症状を発症して搬送された。

11、12月には男女各1人がそれぞれ脳出血と心肺停止で死亡。同じ半年間で静岡市消防局管内では高齢者11人が同様の症状で搬送され3人が死亡。

駿東伊豆消防本部管内は搬送された高齢者45人のうち14人が死亡した。いずれも11月以降の死者が目立つ。

浜松市消防局は、反応がない人には「胸骨圧迫など、できる範囲での対応を」と呼び掛け、「ろれつが回らないなどの異常が見られたら、ためらわずに119番して」と訴える。脳疾患の場合は嘔吐(おうと)による吐しゃ物が詰まらないように気道を確保することも重要だという。

住宅設備などを手掛ける総合エネルギー会社「エネジン」(同市中区)は血圧に大きな変動を与える熱い風呂や長風呂を避け、浴室専用の暖房乾燥機を設置するなど浴室と居室との温度差をなくすことを推奨している。

<メモ>ヒートショック 

血管が暖かい場所で広がり、寒い場所で縮むことで血圧の変化が繰り返されて起きる。冬場は暖房の効いた居室と寒い風呂場やトイレを行き来することになるため発生件数が増加するとみられる。

消費者庁のまとめによると、高齢者の不慮の溺死・溺水による死亡者数は増加傾向にあり、その約7割は家や居住施設の浴槽で発生している。

東京消防庁管内では、年代が上がるにつれて溺水事故が増加し、年間の7割が11月~3月に発生している。




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