70代男性が語る高齢者のSNS事情、毎日「訃報」にビクビク

今や若い世代のみならず、高齢者の間でもパソコンやスマホを日常的に使える人が増えており、SNSを活用して連絡を取り合う人も少なくない。そうした中で、高齢者ならではのSNS事情というものもあるようだ。

都内に住む70代の男性Nさんは、元々パソコンに詳しく、スマホも使いこなしており、一部の親戚や友人とはFacebookやLINEで連絡を取り合っていた。

長年勤めた会社を退職した後も、現役時代と変わらず数百枚単位の年賀状を書いていたが、2年前には「年賀状を書くのを今年限りで失礼させて頂きます」という“年賀状卒業宣言”をして、主要な交友の場もSNSへと移行させた。

Nさんが送った“最後の年賀状”は、特に珍しいものではなかった。文面では、そのような年賀状を送ろうと思った理由をつづった上で、失礼は承知であることを詫び、さらにSNSのアカウントを併記した。

Nさんによれば、卒年賀状の反応は悪くなかったそうだ。同じ世代の友人たちからは「自分もやろうと思う」という声もあったほか、SNSを通じて年賀状時代より交流が活発になった人もおり、スッキリした気持ちで生活していたが、徐々に“弊害”が明らかになってきたという。Nさんが語る。

「私は、緩やかに関係がフェードアウトしていく人が多いのかと思っていましたが、同世代にも想像していた以上にSNSをやっている人が多く、一気にSNSの友達の数が増えました。なかには、リタイアしてヒマなのか、孫のこと、旅行に行ったこと、ペットの様子、食べた料理など、猛烈な頻度で投稿する人がいます。それらにいちいち『いいね』を押さなければならないので、なんとも一苦労です……」

本来なら、そんな人物のアカウントはさっさと“ミュート”すれば良いのだが、ネット利用歴がそれほど長くない高齢者の中には、「いいね」を押さないと機嫌を損ねたり、「最近書き込みがないが、体調は大丈夫ですか?」などとわざわざ言ってくる人がいるのだとか。そして、最大の問題が「訃報」だという。

「電話で訃報を伝えるのはハードルがなかなか高いものですが、SNSだと気軽に連絡しやすいので、『○○さんが亡くなりました』という連絡がかなりの頻度でやって来ます。一応伝えておこうと思うのでしょうね。これまでなら足を運ばなかったような関係の人でも、訃報を伝えられてしまったら、お通夜や葬儀に足を運ばないわけにはいきません。お香典やお花も然り。足を運ぶ手間も大変ですが、出費の方がシャレになりません」(Nさん)

今やSNSを開く度に、「今日は訃報が来ていないだろうか」とビクビクしているというNさん。いっそのことSNSをやめてしまおうかとも考えてはみたものの、一気に交際範囲が狭まるのは、それはそれで怖いのだとか。今となっては後の祭りだが、「もう少し慎重に卒年賀状のやり方を検討するべきだった」と、後悔しているそうだ。




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