<東北大>膵臓がん切除手術 手術先行より術前化学療法で生存率が向上

膵臓(すいぞう)がんの治療で、がん部位の切除手術が可能な場合、手術前に抗がん剤など化学療法を施した方が手術を先行させたよりも生存率が高まることを、東北大大学院医学系研究科の海野倫明教授(消化器外科学分野)のグループが解明した。

海野教授らは2013年1月~16年1月の3年間に登録し、術前化学療法か手術を先行させた膵臓がん患者360人の追跡調査を実施した。その結果、2年後の生存率は術前化学療法が63.7%で、手術先行を11.2ポイント上回った。

海野教授は「がんの進行なども考慮し、これまでは手術先行が標準治療とされてきた。しかし、手術前の抗がん剤投与でリンパ節の微小転移や肝臓がんの再発などが減り、生存率が高められることが明らかになった」と強調した。

膵臓がんは他のがんと比べて、極端に生存率が低いことで知られる。国立がん研究センターによると、3年後の生存率は乳がんが95.2%、大腸がん78.1%、胃がん74.3%に対し、膵臓がんは15.1%にとどまる。

術前化学療法が受けられる切除可能な膵臓がん患者は全体の2割ほどで、残りの8割は最も進行したステージ4が多く、切除できない状況だ。そのため、膵臓がん治療は早期発見が鍵を握るとされる。

今回の研究結果は論文として発表され、日本膵臓学会の膵癌(すいがん)診療ガイドラインのウェブ版にも掲載される予定。




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