萩原博子さん直伝。昔の常識は非常識⁉ シニア世代が「やってはいけない」6つのお金の習慣

2019年10月には消費税増税が予定されていることもあり、より「節約しなければ」と感じている人も多いと思います。一年の初めに家計を見直し少しでも余裕を出すために、家計経済のパイオニアとして長年活躍している経済ジャーナリストの萩原博子さんに、節約方法を伝授していただきました。

電気代などの公共料金も節約できます。

例えば、子どもが独立し夫婦2人住まいの場合、以前ほど電気は使わないので、アンペアを下げることを検討しましょう。

東京電力の場合、60Aを30Aにすると基本料金が月額約842円安くなり、年間で約1万100円お得になります。ただ、従来どおり電気を使うとブレーカーが落ちる可能性があるので、家電を使う時は家族で声を掛け合う必要があります。

固定電話を利用する機会が少ない場合は、やめることも検討してみましょう。携帯電話は格安スマホに替えると、電話代が半額以下で済む可能性があります。
 
◎公共料金を安くするためにできること

電気代・ガス代を安くする:

アンペアを下げたり、電気とガスをまとめると料金が安くなる。

例)東京電力の場合、アンペアを60A(1,684円80銭)から30A(842円40銭)に下げると、基本料金が半額になる。

水道代を安くする:

風呂の残り湯を使ったり、歯を磨くときに水を出しっぱなしにしない。

例)風呂の残り湯は使用状態によって異なるが約180リットル。この半分を洗濯、掃除、散水などに利用すれば約90リットルの節水になる。毎日風呂の水を再利用した場合、しなかった場合に比べて毎月約650円の節約になる(東京都水道局が算出した1リットル当たりの単価を0.24円とした場合)。

通信費を安くする:

固定電話の料金をテレホンカードで支払ったり、携帯電話を格安スマホに替えると電話代が安くなる。

例)未使用のテレホンカード(500円、1,000円)を、NTT東日本の固定電話の通話料(翌月以降)の支払いに利用できる。
  
浮いたお金で映画や旅行をお得に楽しむ

食費などを節約して捻出できたお金は、自分の好きなことに使いましょう。その際、割安に楽しむことができれば言うことはありません。

例えば、旅行する場合、利用すると得するのが旅行会社などの「出張パック」という旅行商品です。出張パックと聞くと仕事で使うイメージですが、普通の旅行でも使えます。

例えば、東京―京都間の往復の新幹線と一泊の宿泊代がセットになって1人約2万円で済む場合もあります。
他にも、映画館やテーマパークなどでは、「シニア割」が設けられている場合があるので、計画を立てる際に確認しておくといいでしょう。
 
◎お得に楽しむためにできること

旅行代を安くする:

クレジットカードで交通費を安くしたり、出張パックなど交通費と宿泊費がセットになっている旅行商品を利用したりする。

例)満60歳以上(女性の場合)の人なら、「大人の休日倶楽部」というクレジットカードを利用すると、JR東日本とJR北海道のきっぷが何回でも30%割引になる。割引率は低くなるが、満50歳以上の人が利用できるタイプもある。

映画館のシニア割を使う:

大きな映画館なら「シニア割引」などがあり、映画のチケットが安くなる。

例)イオンシネマでは、55歳以上なら毎日1,100円、夫婦どちらかが50歳以上なら毎日2,200円(2人分)。チケットを購入する際に、年齢が確認できるものを提示する。

外食:

孫たちと外食する際に、シニア割引が利用できるお店で食事をする。

例)焼き肉店の「牛角」の食べ放題コース(90分)、例えば「お気軽コース」1人2,980円(+税)などが小学生未満は無料、小学生は半額、65歳以上は500円引きとなる。注文時に年齢(年齢が確認できるものを持参)を伝える。一部店舗では価格などが異なる場合があるので事前に要確認。

買い物:

孫のおもちゃはポイントカードで安く買う。

例)トイザらスでは50歳以上のポイントカード会員限定で、毎月15日は「まご割」で10%割引になる。1回の買い物が5,000円(税込)以上で利用できる。

紙おむつや粉ミルクなど割引対象外商品がある。会計時にポイントカードと年齢が確認できるものを提示する。
 
シニア世代がお金で気を付けることは?

食費や電気代などの節約以外に、シニア世代はお金でどんなことに気を付けなければいけないのでしょうか。

「インターネットを使う環境が整っていないと、得られる情報は限られます。ネットの情報は全て正しいものばかりではありませんが、ネットが利用できる携帯電話などを持っている人は、情報に触れることが大切です」と荻原さん。

もちろん、新聞やテレビなどのニュースもこまめにチェックする必要があります。

また、荻原さんは「一昔前は子どもが生まれると郵便局の学資保険に加入するのがお得でした。自分が得した経験から、孫が生まれたときにも『学資保険がいいわよ』とすすめる人がいますが、いまは保険の運用利回りが低くて、ちっともお得ではありません。このように、古い情報を引きずっていると損をすることがあります」と話します。

他にも、大病院に紹介状なしで行くと初診料に5000円以上が加算されるので、まずは近所に信頼できるかかりつけ医を見つけることが大切だということと、病院は夜間や朝早くに行くと別途料金がかかるので、急を要するとき以外は通常の時間に行くようにすることなどです。

昔常識だった習慣が、知らない間に悪習慣となっていることがあるので注意が必要です。
 
◎お金にまつわる6つの「やってはいけない」

タンス預金をしてはいけない

「タンス預金」ではなく銀行に預けましょう。家に大金を置いておくと、詐欺に遭いやすくなったり、盗まれる可能性があります。あるいは、病気で亡くなったときに、気付かれずゴミと一緒に捨てられる可能性もあります。

高額の生命保険はいらない

生命保険は、自分が亡くなったときに残された家族が生活に困る場合に必要です。私たち世代は、子どもは自立していることが多いので、高額の死亡保障は不要です。保険を解約すると、月々の保険料が減らせます。

子どもにお金を残さない

相続が「争続」とならないように、持っている財産は生きているうちに楽しく使ってしまいましょう。余命を想定して使える金額を決めます。残すのであれば、遺言状も残して家族がもめないように配慮してください。

複数の口座にお金を分けない

マイナス金利政策の影響で、銀行は利益を増やすため、口座維持管理手数料を取ることを検討しています。使っていない口座は整理して、銀行口座の数を減らすようにしましょう。

大病院にいきなり行かない

病気は大病院で診てもらいたいと思いがちですが、いきなり大病院に行くと初診料として5,000円以上が加算されることがあります。信頼できる「かかりつけ医」を見つける方が、金銭的負担は少ないです。

家庭菜園を軽んじてはいけない

いままで農業をやったことがない人が、農業を始めるのはハードルが高そうですが、やることで得られるものの方が大きいです。自宅に近い市民農園などを借りれば、健康と長寿が得られ、もちろん家計も助かります。

他にもっと知りたい人へ

『払ってはいけない資産を減らす50の悪習慣』

著/荻原博子 新潮新書 760円+税

お金が「たまらない」一因は、払わなくていいお金を払っているからだそうです。「どうすればお金がもうかるか」ではなく、「どうすれば損をしないか」に主軸を置いた50代以上の世代に人気の本です。

取材・文/金野和子
 
<教えてくれた人>

荻原博子(おぎわら・ひろこ)さん

経済ジャーナリスト。経済事務所で働いた後に独立。新聞やテレビなど多数の媒体で、経済の仕組みを生活に根差した分かりやすい解説に定評がある。『払ってはいけない 資産を減らす50の悪習慣』(新潮新書)など、著書多数。




https://news.goo.ne.jp/article/mainichigahakken/life/mainichigahakken-005595.html