河村隆一が患った「肺腺がん」は、かつて中村獅童も… 根治を目指すための手術方法とは?

ロックバンド「LUNA SEA」のヴォーカルをつとめる河村隆一(48)が、13日に更新した自身のブログで、肺がんの手術を行っていたことを明かした。

そのブログには、「少し前にみつかった・・肺の腺癌を切除する手術を11日に行いました。術後は良好に回復しております。今回のオペは部分切除・・」と、肺腺がんの部分切除手術だったことを告白。発見は初期段階だったようで、放射線治療や抗がん剤治療にまで至らないことも綴っていた。

肺がんは、空気の通り道となる気管支から肺胞に至るいずれかの細胞に発生するがんだ。

がんができる場所や治療法などに違いが出てくる。肺がんは、大きく「腺がん(肺腺がん)」「扁平上皮がん」「大細胞がん」「小細胞がん」の四つに分けられる。肺がん全体の約60%を占め、最も多いのが腺がんで、大部分は「肺の奥のほう(肺野)」にできる。

最近では、2017年、歌舞伎俳優の中村獅童(46)が肺腺がんを患っていたことを公表したのも記憶に新しい。

根治をめざす「手術」は、肺がんの最も有効な治療法だ。手術の対象となるのはおもにステージI、II、IIIAの一部までの非小細胞肺がんであり、ステージIの早期がんでは、手術で完全にがんを取り除くことで80%以上の人が完治するといわれている。早期発見の重要性がうかがい知れるデータだ。

がんを取り除く手術とはどのようなものなのか。週刊朝日ムック『肺がんと診断されました』から、部分切除手術について解説する。

切除範囲は、がんの大きさや位置、進行度などによって異なる。

肺は、右肺が三つ、左肺が二つの「肺葉(はいよう)」から成り、がんのある肺葉ごと切除する「肺葉切除術」が現在の標準治療である。また、がんを取り残さないよう、周辺のリンパ節も切除する(リンパ節郭清)。

標準治療は肺葉切除術であるが、早期の小さながんの場合は縮小手術を検討することもある。肺は、肺葉よりさらに小さい区域に分けることができ、縮小手術には、区域ごとに切除する「区域切除」と、さらに小さくがんの周辺を楔形に部分切除する「楔状切除」がある。

X線で、すりガラスのように淡い影が見えることから「すりガラス様陰影」と呼ばれるごく早期のがんや、2センチ以下で悪性度の低いがんでは、縮小手術でも肺葉切除術と同等の治療効果がみられることがある。現在、肺葉切除術と縮小手術での治療効果(予後や術後の肺機能)を比較する試験がおこなわれており、将来的に、早期がんに対しては縮小手術が標準治療になる可能性もある。

がんが大きい場合は、片方の肺をすべて切除する「肺全摘術」をおこなう。肺の半分を切除することにより、術後は呼吸機能の低下が危惧されるため、そのリスクを回避するために、がんを切除した後に残った気管支を縫合してつなぎ合わせる「気管支形成術」をおこなうこともある。ただし、高度な技術を要するため、どこでも受けられる手術ではない。また、がんが肺の外にまで広がっている場合は、肺に加えて胸膜や肋骨など、肺の周囲の臓器も切除する「拡大手術」をおこなうこともある。

切除する範囲が広いほど術後の呼吸機能は低下するため、できるだけ肺を残すことが理想だ。しかし、そのせいでがんの取り残しがあっては元も子もない。切除範囲は、「がんの根治」と術後の生活や仕事復帰など患者の「QOLの維持」の両立をめざして検討する。

【ここがポイント】
・ステージIの早期がんでは手術で完治する人が80%以上
・がんのある肺葉ごと切り取る肺葉切除術が標準治療
・がんの根治と術後のQOL維持の両立をめざして切除範囲を検討

◯監修
順天堂大学順天堂医院呼吸器外科教授
鈴木健司 医師




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