厚生年金、パート加入拡大 企業規模を緩和へ

厚生労働省は、厚生年金に加入するパートなど短時間労働者を増やす方針を固めた。加入義務があるのは従業員501人以上の企業だが、これを引き下げる。厚生年金は、多くのパートらが加入している国民年金より給付が手厚い。パートらの老後の貧困リスクを低くするのが狙い。

18日に有識者会議の初会合を開いて議論を開始。2020年の通常国会に年金改革関連法案を提出する。

現在、パート労働者らについて厚生年金への加入義務があるのは従業員501人以上の企業で週20時間以上働き、月収8万8000円以上などの要件を満たした場合。500人以下の企業でも労使合意を条件に任意に加入できる。それ以外の労働者は自営業者ら向けの国民年金に加入する。週30時間以上働く人は企業規模にかかわらず原則加入する。

国民年金の保険料は定額(月約1万6000円)で、40年間納付すれば給付は月約6万5000円。一方、厚生年金は収入に応じて納めた保険料に見合う給付がある。月収8万8000円の場合、保険料は国民年金と同水準の約1万6000円で、半分は企業が負担する。給付は加入1年につき国民年金より月約500円多くなる。加入40年なら約1万8000円多い。

ただ、加入拡大には保険料負担の増える企業側が慎重だ。従業員500人以下の任意加入の企業のうち2316社を対象に労働政策研究・研修機構が調べたところ、パートらを厚生年金に加入させていたのは5.6%。加入申請見通しの企業も4.7%にとどまり、任意では加入が進まない様子がうかがえた。

加入要件のうち、賃金基準を下げると国民年金より少ない負担で給付が多くなり、不公平感が生じる。労働時間を短くすることには保険料を負担する企業側の理解が得にくい。議論は企業規模を中心に進む見通しだ。

働き方が多様化する中、勤め先によって年金が異なるのは好ましくなく、厚労省は企業規模要件の撤廃も視野に入れる。だが、中小企業を中心に反発が予想され、法案をまとめる来年末まで調整が続く見通しだ。




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