カテキンだけじゃない 身近なスーパーフード「抹茶」

抹茶はいかにも日本の食材というイメージがありますが、実は海外でも大人気となっています。「Matcha」という単語も知られており、ニューヨークやロンドンのカフェでは抹茶を使ったドリンクや料理もあるほど。カテキンだけではなくビタミン類やカルシウム、食物繊維も豊富で美容効果も期待できる抹茶は、身近なスーパーフードの一つともいえます。抹茶風味ではなく、抹茶そのものを食べるような濃厚な進化形抹茶グルメを紹介します。

■茶葉を丸ごと摂取できる抹茶

「一般的によく飲まれる緑茶類(玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶)の中でも、抹茶はカリウム、カルシウム、鉄分、マグネシウム、リン、亜鉛、ビタミンB1、B6、Cが特に豊富です」と管理栄養士でナチュラル料理研究家の谷口あゆこさん。抹茶は日本に古くから根付いているスーパーフード。抹茶以外のお茶は基本的に茶葉から抽出したものを飲みますが、抹茶は新芽を蒸して乾燥させてから臼でひいたものを湯で溶いて飲むもの。つまり、茶葉の栄養素を丸ごと摂取できるわけです。

カルシウムや鉄分、ビタミン類などは健康維持に役立つ栄養素。亜鉛は皮膚や粘膜の健康維持を助け、ビタミンB1とビタミンB6は代謝を促進する効果が期待できます。ビタミンCはコラーゲンの生成に関わるため、美肌を目指す方にもおすすめ。

さらに抹茶に含まれる茶カテキンには体内の脂肪を分解・消費しエネルギーに変えるはたらきがあるため、ダイエットやコレステロール対策にも。「ダイエットや美肌づくりを考えている女性にとっては、抹茶は積極的に取りたい食材」と谷口さんは説明します。

抹茶のもつ爽やかな香りにはリラックス効果もあり、抹茶に含まれるテアニンという成分には肉体的・精神的なストレスを軽減するはたらきもあるそうなので、忙しいときや心を落ち着けたいときにもピッタリです。

抹茶は家庭でも手軽に取り入れることができます。これからの季節、ハチミツと湯で溶いた抹茶をホットミルクに加えれば、手軽に抹茶ラテに。谷口さんおすすめの食べ方を聞くと「抹茶とかつお節、すりごま、じゃこを合わせてふりかけにしたり、豆乳や野菜と一緒にスムージーに入れたりしてもおいしい」とのこと。炊き込みご飯に加えるのもおいしく、香りが良くなるそうです。

■こんなメニューにも抹茶が! お茶料理専門店の抹茶グルメ

ここからは抹茶を使ったグルメを紹介します。東京・御茶ノ水にあるお茶料理創作和食店「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」では、「抹茶ぽてとサラダ」や「信州地鶏の抹茶レバーペースト」など、抹茶が料理の主役となったメニューを堪能できます。

まるで和菓子のような丸い形をした「抹茶ぽてとサラダ」は、京都宇治産の抹茶がポテトに混ぜ込まれており、ポテトサラダとは思えないようなきれいな緑色。酒かす漬けのベーコンがアクセントとなり、抹茶のほろ苦さと香りが絶妙な大人のポテトサラダに仕上がっています。

「信州地鶏の抹茶レバーペースト」は一般的な鶏肉よりも味と風味がしっかりとした信州産地鶏のレバーを薫製し、香ばしい抹茶の香りとほろ苦さを組み合わせた、舌触りの良いレバーペースト。一口食べると薫香と抹茶の香りが鼻に抜けて、なんともぜいたく。赤ワインと一緒に楽しみたい一品です。

運営する龍名館の広報部長、濱田裕章さんは「『お茶と共に過ごすゆるやかな時間』が当店のコンセプトとなっています。『茶を食す』という新しい和食体験を提供したいと考えています」と話します。抹茶が食材の一つとして和食に使われており、抹茶の新しい魅力を知ることができます。

さらに同店の人気メニューとなっているのが「抹茶ビール」です。

抹茶ビールの素となる特製のペーストとビールを店内でブレンドしており、青汁のような緑が印象的です。「SNS(交流サイト)上でも『革命的なうまさ!』と話題になりました。ビールと抹茶の苦味が調和し、のど越しがいいと評判」(濱田さん)とのこと。ぜひ飲んでみたくなりますね。

■SNS映えするカフェメニューも抹茶アレンジ

東京都心部を中心に9店舗を展開する「神楽坂 茶寮」「茶鍋カフェ kagurazaka saryo」には、抹茶を使ったSNS映えするカフェメニューがずらり。中でも、「京抹茶のチョコレートフォンデュ」は和風のチョコレートフォンデュとして幅広い世代に人気となっています。

香り高い京都宇治の抹茶を使い濃厚に仕上げた抹茶チョコレートソースに、イチゴ、白玉、よもぎふ(生ふ)、自家製パイの4種の具材をくぐらせていただくフォンデュスタイルのスイーツ。同店を運営するアヤカンパニーのマネジャー、新川康文さんによると「基本は一人前ですがシェアする方も多く、楽しんで召し上がっていただいています。追加具材のご注文も承っており、食べ応えもありますよ」とのこと。残った抹茶チョコレートソースを添えられたバニラアイスにかければ、最後の口直しとしても楽しめます。

「抹茶チョコレートフォンデュにはこだわりの京抹茶を使用しております。抹茶は色味や風味が飛びやすく、鮮やかな緑と風味がしっかり出せる抹茶を厳選しました」と新川さん。SNSでも拡散される機会が多く、若い世代の女性の利用が増えているそう。

また、同店では「抹茶のフローズンスモア」も。フローズンスモアとは、冷たいアイスクリームと焼いたマシュマロを組み合わせたニューヨーク生まれのスイーツですが、抹茶アイスで和風アレンジされたものとして、こちらもSNSで話題となっています。

■こだわりの抹茶で作った絶品モンブラン

日本茶専門店「寿月堂 銀座歌舞伎座店」では、抹茶と栗のぜいたくなモンブランを味わうことができ、こちらも注目です。

モンブランクリームに使用している抹茶は、化学肥料や農薬に頼らず、植物本来の力を最大限に引き出す中嶋農法で育てられた上質な抹茶を使用。味はもちろん、色やツヤも優れた抹茶なので、「普段はお点前に使われるような高品質なものをぜいたくに使用しています」と店長の安藤祐輔さん。クリームの下は和栗や、たっぷりのバターとカスタードクリームを合わせたムスリーヌクリームなどで4層になっており、抹茶との相性を考え貫いた、こだわりのスイーツとなっています。

また同店では、抹茶をたてる体験ができる「抹茶事始め体験」(6000円税込み、道具セット付)も人気。海外の方の参加も多いそうです。

幅広いメニューに使われている抹茶。抹茶グルメを楽しみながら、体も心もリフレッシュしてはいかが。




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