変わるお葬式 増える「少人数」「短時間」 独自のお別れの会開催も 平均は178万円に減

亡くなった人との別れの儀式であるお葬式が変わってきた。儀礼的な弔問よりも、家族中心に少人数、短時間の葬儀が増加、故人に合ったしのび方による独自の「お別れの会」も開催されている。全国定額で料金、内容を明確にしたサービスを提供するベンチャー企業も登場している。

野球のボール並べ「献球」

亡くなった人を弔う儀式である葬儀は、日本では仏式が主流だったが、神道やキリスト教にのっとった葬儀も以前から一定の割合ある。

その中で近年、増えているとみられるのは、無宗教の葬儀だ。故人の遺志を尊重した「お別れの会」もその一つとされ、宗教的な儀式を伴う告別式が別に開催されることも多い。

背景には、都市化が一層進み、菩提(ぼだい)寺と檀家(だんか)の関係が希薄になっていることや、宗教への関心が薄くなっていることなどがあるとみられる。また、お墓のあり方も、少子高齢化でお墓の管理をすることが難しい世帯が増えていることで、都市部のビルに入る屋内型の納骨堂などが支持を広げている。

名古屋市に住む加藤明子さんは平成28年6月、1月に50歳で亡くなった夫の亘さんの「お別れの会」を開いた。葬儀は家族や親戚などで執り行ったが、友人やお世話になった人とは半年後にお別れの会をしたいというのが亘さんの遺志だった。

野球が好きで少年野球のコーチもしていたので、献花ならぬ野球のボールを並べる「献球」することだけを決めていた。「プレーボール」の掛け声で開式。芝生とカーネーションで野球のグラウンドのような祭壇にし、飾られたボールは野球チームに寄付した。

加藤さんは「亘さんらしく送り出せた。周りの人とのつながりを感じられた」と振り返る。

「家族葬」が約4割

インターネットサイト「いい葬儀」の運営などを手掛ける鎌倉新書(東京)によると、29年の全国調査で葬儀にかかった平均総額は約178万円で、25年(約203万円)や27年(約184万円)に比べ減少した。

葬儀の種類は家族や近親者で開く「家族葬」が約4割に増加、宗教儀式を行わずに火葬だけで送るのは約5%だった。一方、知人らも参列する「一般葬」は減少傾向だが、5割以上を占めた。

担当者は「安く、少人数、短時間で行われる葬儀が増えている。半面、後日あらためてお別れの会を開くなど多様化している」と指摘した。

料金など透明化

ユニクエスト・オンライン(大阪市西区)が手掛ける「小さなお葬式」は、全国どこでも定額で対応するサービスだ。18年創業のベンチャー企業だが、累計10万件の葬儀を執り行った。

葬儀への出席者が少ないことが予想されるため、小規模に行いたいというニーズに応えるものだ。提携する葬儀場は全国に3千以上あるという。

家族葬の通常料金は49万3千円で、葬儀場利用料や祭壇、火葬料も含まれる。僧侶を手配するなど別料金の追加サービスも用意している。安心して利用できるように料金、サービス内容を明示し透明化するよう心掛けているという。




http://www.sankei.com/life/news/180511/lif1805110006-n1.html