クレカのリボ払いに落とし穴 新社会人は気をつけよう

今月のマネーハックは、新社会人のマネーリテラシー(お金に関する基礎知識)向上の狙いも込めて「クレジットカード」を取り上げています。ポイントがたまって魅力的なクレジットカードも注意点がいくつかあります。

同じ買い物をしても返済方法を「一括払い」とすれば、利息は付かずそのままポイントを獲得できます。3回以上の分割払いをすれば、利息が付きますので利用残高に上乗せした額があなたの支払い額となります。利息の利率は、クレジットカードのポイント還元率より必ず高くなりますので、ポイントを獲得できたとしても意味がありません(詳しくは前回コラム「クレカでポイント獲得 新社会人、支払い方法を要注意」を参照)。これでは、結果的にお得どころか割高な買い物をしたことになります。

しかし、もっと割高な買い物をする方法がクレジットカードにはあります。それは「リボルビング払い」、いわゆるリボ払いです。

■気がつけば残高は膨らみ続ける

リボ払いはクレジットカードの使用時に支払い方法を問われたとき、「リボ払いで」というだけでOKです。ところが、これはとても危険な支払い方法です。

リボ払いの基本は「残高はすべてひとつにまとめる」「毎月の返済は一定額とする」――です。一見すると、返済負担が一定になるので便利な仕組みですが、これがくせ者です。

例えば、4月に5万円の買い物を、5月に7万円の買い物をしたとします。それぞれ翌月に一括払いすれば合計12万円の支払いで済みます。しかし、「毎月の返済は1万円」というリボ払いを選択し、年15%の利息がかかった場合、支払総額は約13万円になるので返済終了まで13カ月を要します。

考えてみれば当たり前で、毎月5万円は使っているのに返済は月1万円だと残高はなかなか減りません。気がつけば50万円くらいの残高を抱え込んでいたりします。利用する側は「ちゃんと返済しているから」と考え、また新たにリボ払いで買い物をしてしまうので、気がつけば残高は減るどころか膨らみ続けます。こうした「リボのアリ地獄」にはまると、抜け出すのにとても苦労することになります。

■誰も増額返済しようと思わない

リボ払いはクレジットカード会社にとっては高い金利を得られるという点で、もうかる仕組みです。言い換えれば、私たちは便利の代償に高い金利を払うということです。

例えば、リボ払いの一種に「あるとき払い」という方法があります。文字通り、余裕があるときに増額返済すればよく、毎月の返済額は低く抑えられます。毎月数千円でOKのこともあります。

これは普通の人にとって「永遠に返せない借金」といってもいいほど危険な方法です。誰も増額返済しようとは思わないからです。返済資金に余裕があったとしても、将来にツケを先送りし、また別の買い物をしてしまいます。

もうひとつ、「リボ変更」も要注意です。一括払いで利用したクレジットカードの返済が高額になってしまったとき、明細をみてギョッとすることがあります。明細の余白には「今回の利用額をリボ払いに変更できます」と書かれていますので、手続きすると、確かに毎月の返済はぐっと減ります。

ところが、前述のように残高はなかなか減らないので、私たちは長期にわたってリボ払いの返済に付き合うことになるのです。リボ払いは一度やってしまうとズルズル続けてしまう傾向があります。皆さんはとにかく利用しないこと、やむを得ず利用してしまったら次のボーナスで全部返すこと、を意識してください。

■初期設定がリボ払いのカードも

初期設定で支払い方法をリボ払いにしているクレジットカードもあります。カードの発行時に口頭ベースで簡単な説明は受けるはずですが、利用者は強く認識しないまま、リボ払い専用カードを持つことになります。買い物するとき「支払い方法は?」と聞かれないこともあり、そんなものかなと思っていると、いつの間にかアリ地獄にはまっていたりします。

こうしたクレジットカードは手続きをすると「リボ払いの初期設定を停止する(通常は一括払いとする)」などの対応ができます。すでに利用しているカードの設定がリボ払い専用になっている場合は、急いで見直ししましょう。利用頻度が低ければ解約するのも選択肢です。

クレジットカードは便利なアイテムであることは間違いありませんが、リボ払いについては話は別です。新社会人の皆さんも落とし穴にぜひ気をつけてください。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。

山崎俊輔  フィナンシャル・ウィズダム代表。

AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)など。http://financialwisdom.jp




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