袴田さん描く映画に脚光 近く静岡県内で上映

48年間の獄中生活を経て、27日に釈放4年を迎える袴田巌さん(82)を描いた2本のドキュメンタリー映画が話題だ。海外の国際映画祭で招待上映された砂入博史監督(46)の「48years―沈黙の独裁者」(77分)と、近く静岡県内で上映予定の金聖雄監督(54)の「獄友(ごくとも)」(115分)。社会生活を送りながら今も死刑囚の袴田さんの言葉がスクリーンを通して見る者に訴える。

米国在住で、ニューヨーク大で現代美術を教える砂入監督の作品は、今月5~11日、カンボジア国際映画祭で上映され、好評を収めた。一般的なドキュメンタリーとは異なり、ナレーションなどはなく、袴田さんの生の言葉を通じて、観客が能動的に約48年間の獄中生活を想像する仕組みになっている。

「シネマの中で言葉が持つ力」をテーマに制作活動を続ける砂入さん。「袴田さんは非常にまれな苦境の世界唯一の証言者。自身の言葉で語ってもらうことで、袴田さんという精神と向き合いたかった」と振り返る。

現在は国内の映画祭での上映を申請中。今夏以降、県内での上映も検討するという。

金監督の作品は、「布川事件」の桜井昌司さん(71)=無期懲役確定後、再審無罪=や「足利事件」の菅家利和さん(71)=同=らかつて獄中生活を送った4人と、袴田さんの交流を描いた作品。

7年間にわたり約500時間の収録を行った金監督。「袴田さんたちが、釈放後に交流を深めながら、前へ前へと進もうとしている姿を見てほしい。浮かぶのは、『かわいそう』という感情だけではないはず」と話す。

主題歌は谷川俊太郎さん作詞、小室等さん作曲。27人のミュージシャンが参加した。4月14日から静岡市内、21日からは浜松市内で上映予定という。




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