浜名湖アサリ、水揚げ過去最低に 「潮干狩り」再開は厳しく

2年連続で潮干狩りが中止となっている浜名湖で、2017年はアサリの漁獲が過去最低の約968トンに落ち込んだ。浜名漁協によると千トンを割り込むのは初めてで、不漁に見舞われた16年をさらに50%下回った。

「今後も、漁が急激に回復するとは考えにくい。厳しい」

17年秋以降は徐々に漁獲が回復傾向にあるものの、例年よりアサリの出現は少なく、生育が良くない状況に関係者は頭を抱える。

同漁協によると、16年秋から17年夏ごろにかけ、月別の漁獲量は前年比15~20%で推移。漁獲が増えつつある17年秋以降も、16年までの5年平均より30%程度少ない。資源回復に知恵を絞る県水産技術研究所浜名湖分場(浜松市西区)の担当者は「餌や水温の問題で成長が遅れているのかもしれない」と気をもむ。

不漁の一因には、クロダイなどによる食害が考えられる。同研究所が食害防止のネットをかけて保護したアサリは半年後も80%が生残したのに対し、ネットをかけないアサリは1カ月ほどで全滅した。一方でアオサの大量発生、台風や赤潮の影響などで漁獲が落ち込んだ年もあり、原因はさまざま。全国的にもアサリの不漁は深刻だが、生息環境の悪化や寄生生物の影響など事情は産地ごとに異なるという。

例年、浜名湖のアサリ漁獲量は年間3千トン程度で、09年には6千トンを上回った。不漁で風物詩の潮干狩りが戦後初の中止に追い込まれた14年は1400トン、2年連続で開催できなかった16年は1900トン。17年は千トンを下回る現状に、浜名漁協の河合和弘組合長は「アサリはすぐに増えない。現時点で潮干狩りの再開は考えられない」と話した。

■資源保護へ対策 急ピッチ

浜名湖でアサリの漁獲が落ち込む中、地元漁業者や研究者による資源保護の取り組みが急ピッチで進んでいる。2017年9月には食害を防止するアサリの保育場を湖内に設置し、生育状況などを確認する試みが始まった。

保育場の造成は湖内3カ所で試験的に開始し、建築用のブロックで囲った1・2平方メートルの枠に砂利を敷き詰め、食害を防ぐネットをかぶせた。生まれたばかりのアサリの幼生は砂利に着底する習性があり、ネットの中で保護されたアサリが無事に生育するか調べている。効果が確認できるのは1~2年後とみられ、関係者は「アサリの成長に有効な環境を見つけ、実践したい」と語る。

浜名湖では既に砂利を入れた網袋が3千個設置され、17年には一定の大きさに育った36万個のアサリが湖に放流された。

アサリ漁でも数年前から1日の漁獲制限を設けているほか、17年9月以降は毎週日曜を休漁日にして資源回復を図っている。




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