向き合う 孤独死の先 特殊清掃、遺品整理会社役員 峯田さん

誰にもみとられず亡くなる「孤独死」。遺体の発見現場で死臭などを消す特殊清掃や遺品整理を手掛ける会社「テオトリアッテ」(金沢市糸田)の役員峯田(みねた)知明さん(35)は、独り暮らしの高齢者が増え、死者数が出生数を上回る「多死社会」にも直面する中、「特殊清掃や遺品整理は当たり前になる」と自らの仕事の意義を訴える。

依頼増「意義ある仕事」

状況によって異なるが、死後数カ月たって死臭が部屋中に充満している場合、家の周囲に死臭が広がらないよう特殊な薬を使って消臭する。家財を処分するなどした後、害虫を駆除。住職に頼み、供養をお願いすることもある。

かつては不動産会社の営業マンだった。五年前に知人からの働き掛けで、マンションの管理組合と修繕会社をあっせんするインターネット事業を金沢市で開始。組合との付き合いを深めていくと、独り暮らしの高齢者が自宅で死亡後、しばらく経過して見つかる事例が増えていると聞かされた。自分たちで問題を解決しようと、翌年に会社を今の社長と立ち上げた。

遺族に寄り添うことに気を付けている。例えば、遺品整理の際には、一つずつ心を込めて段ボールに納めた上でたき上げをしている。「遺族にとって思い出の品の可能性が高いし、一つずつ大切にする」

忘れられない依頼者がいる。事業を始めた当初、ある遺族の夫婦から「(遺品を)全部捨てておいて」とお願いされた。丁寧に仕事を進め、依頼者と対話を繰り返すうちに、遺族の脳裏に故人の思い出が次々によみがえった。最後には「ありがとう」の言葉とともに深々と頭も下げられた。

初めて孤独死の現場に立ち会った時は衝撃的だった。不動産会社で働いていた二十四歳の時、扱っていた物件で顔見知りだった入居者の異変に住民からの連絡で気づき、部屋に立ち入った。ベッドにもたれかかった状態で息を引き取っていた。二〜三週間前に会話したばかりで「ショックだった」と振り返る。

今は、「死」に向き合う日々だが、「嫌な仕事だと思ったことはない」ときっぱり。「死を意識することで毎日を懸命に生きようと思うし、時間の使い方も変わってくる。(この仕事に携われるのは)自分にとってありがたいことです」と感じている。

昨年一年間の依頼は三十件ほど。事業を始めた二〇一四年以来、依頼は少しずつ増えている。「いずれ自分らも孤独死するかもしれない」と人ごとととらえず、将来を見据える。

今後、さらなる需要が見込まれる特殊清掃。「後継者を育成したり、新規事業をする人に教えたりしたい」と力を込めた。




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