弁護団「みそ漬けシャツの色矛盾」 「袴田事件」検察証拠引用へ

袴田巌さん(81)の弁護団が東京高裁の即時抗告審に提出予定の最終意見書で、犯行着衣とされた「5点の衣類」について、東京高検が実施したみそ漬け実験で茶色く染まったシャツを証拠として示し、捏造(ねつぞう)の可能性を改めて訴えることが17日、分かった。高検の実験結果として示されたシャツと、事件現場で見つかったとされる全体に白いシャツの矛盾をつく。検察の証拠を逆手に利用することで、従来の主張に説得力を持たせる狙いがある。

関係者が同日までに明らかにした。弁護団は最終意見書で「検察官のみそ漬け実験から、静岡地裁の再審開始決定が裏付けられた」と訴える方針。今回新しく提出する証拠を、再審開始決定の理由となる「新証拠」としたい考えだ。

提出するのは、高検が2014年10月から16年8月まで実施した実験で得られた血痕付着の白色半袖シャツの写真など。検察は16年10月、実験を基に「長期間みそ漬けしたシャツの血痕のDNA型鑑定は不可能」とした専門家の意見書を提出済み。

一方、検察の実験後に冷凍保存してあった約1年2カ月間みそ漬けされたシャツについて、弁護団は17年9月に高裁内で写真を撮影。シャツは全体に茶色に染まり、血痕部分は真っ黒になっていることが分かった。

これに対し、1966年6月の事件発生から約1年2カ月後にみそ工場のタンクから見つかった麻袋に入った白色半袖シャツのカラー写真では、シャツは全体に白く、血痕は赤みがかっている。

首都大学東京の花田智教授(環境微生物学)が、みそに触れた血液が黒色化する原理について解説した意見書も併せて提出する。

再審開始を決めた地裁の審理段階で弁護側の再現みそ漬け実験を担い、法廷で証言をした支援者の山崎俊樹さん(63)=静岡市清水区=は「2枚の写真を見比べれば証拠の捏造は一目瞭然。検察の実験は結果としてわれわれの実験をなぞったものになっている」と分析した。

<メモ>5点の衣類 

1967年8月、事件現場のみそ工場の熟成された赤みそタンクの底から見つかった。たびたび捏造(ねつぞう)の可能性が指摘され、2014年3月の静岡地裁決定も「衣類の色から長期間みそに入れられていたことはうかがえない。血痕の赤みも強すぎ、不自然」と指摘、「シャツに付着した血液は袴田さんのものではない」とした弁護側DNA型鑑定と並ぶ再審開始の主な根拠としている。




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