<衆院選>愛媛2区 加計問題に沈黙 争点化、共産のみ

10日公示される衆院選では、学校法人「森友学園」「加計学園」の問題を巡る安倍晋三首相の政治姿勢が論戦の一つの焦点になる。首相は9月25日の記者会見で「批判を受け止め、国民に説明しながら選挙を行う」と約束したが、今のところ街頭演説で言及する場面はない。与党と新党の対決に注目が集まり、問題は早くも風化するのか。加計学園による獣医学部新設計画が進む衆院愛媛2区を歩いた。

「私たちは新しい政治を目指す。政権交代を果たす」

愛媛県今治市のメインストリートで5日、希望の党前職、横山博幸氏(66)=比例代表四国ブロック=が事務所開きに臨んだ。8月に民進党を離党。あいさつに「加計」の言葉はなかった。

同市郊外では加計学園が運営する岡山理科大の獣医学部校舎建設が進む。誘致は市と県の10年来の宿願で、安倍内閣が成長戦略の柱に据えた国家戦略特区で計画が認められた。市は加計学園に用地を無償譲渡し、校舎建設費約192億円のうち最大96億円を県の支援を受けて補助する。

ところが、首相と加計孝太郎理事長が親友だったことから、野党は先の通常国会で「首相の関与があったのではないか」と繰り返し追及。安倍内閣の支持率は一時、急落した。

希望の党代表の小池百合子東京都知事は6日の記者会見で「特区は極めて重要な手段だが、残念ながらネガティブな印象がついている。情報公開が必要になる」と述べた。同日発表した党公約では現行の特区制度を「おともだち厚遇」と批判し、安倍政権との違いを明確にしている。

ただ、愛媛県議時代に獣医学部誘致を推進した横山氏は、計画を疑問視する民進党の方針に違和感を持ってきた。希望の党の公認を得たものの、衆院選で加計問題に踏み込むつもりはない。

横山氏と同じころに街頭演説していた日本維新の会元職、西岡新氏(44)は「選挙を機に、市民の本当の声を伝えていきたい。若い人に来てもらうと活気づくからいいという話を聞いてきた」と計画の必要性を強調した。

愛媛2区の前職は11期目を目指す自民党の村上誠一郎元行政改革担当相(65)。首相に批判的な言動で知られ、これまでも「お友達のために便宜を図っているのではないかと疑われることは最も避けなければならない」などと苦言を呈してきた。

計画自体にも「今治市が100億円も出して将来、大丈夫なのかという判断が必要だ」と慎重だが、開学に関しては、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の結論を見守る姿勢だ。選挙戦では社会保障改革や国の財政再建などを訴える。

結局、地元で加計問題を前面に出して戦うのは共産党新人の一色一正氏(67)だけになりそうだ。一色氏は支持者らに「国政の私物化を許すべきではない」「設置審の認可を認めてはいけない」と呼びかけている。




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