車いす押して「いいね!」 脳性まひの男性が全国の旅

脳性まひの影響で足に障害のある会社員寺田ユースケ(本名・湧将)さん(27)=東京都渋谷区=が四月、訪問先で車いすを押してもらうなどしながら各地を旅するプロジェクト「HELPUSH」を始めた。これまでに後押ししてくれたのは、二百人近く。「押す人が主役」を掲げ、今月九日には故郷の名古屋市に入った。

プロジェクトは「誰もが気軽に助け合える社会に」と、大学時代の同級生らと立ち上げた。仕事の合間を利用し、二〇一九年までに公共交通機関やヒッチハイクで全国の四十七都道府県の観光地などに足を運ぶ計画だ。既に長野、福井、岐阜、静岡などを訪れ、愛知で九県目となる。

十代は、好きな野球で活躍したい夢があった。長時間のリハビリや痛みに耐えたが、思うように行かなかったという。大学二年の時、くすぶる日々を何とかしようと、それまで「乗らず嫌い」だった車いすを使い始めたのが転機となった。

行動範囲や交友の幅が広がり、分け隔てなく接してくれる仲間ができた。「生まれ変わった。他人が友人に変われば『ちょっと助けて』と言える」。駅などで困ることも無くなるかもしれない、と考えた。

友人同士のように垣根のない気軽なコミュニティーを外の世界にも広げようと、旅を思い付いた。

旅先では積極的に声を掛け、若者や高齢者などさまざまな人に車いすを押してもらう、と話す。道中で投稿するツイッター、インスタグラム(いずれも@helpush_story)は賛同を示す「いいね」や応援の書き込みが連なる。

目的地にたどり着けずに困っていると知って、近隣から助けに来てくれる人も。人の縁に感謝しつつ「押して良かったと思ってもらいたい」と話す。

今回は四日に新幹線で東京から静岡へ。ヒッチハイクなどで浜松市から名古屋入りした。見知らぬ夫婦や家族連れ、ネットを見た車いすの女性らが車に乗せてくれた。愛知では母校などを訪れる。下旬に東京へ戻り、八月には東北を目指すという。




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