<中国>劉暁波氏の国外治療認めず 司法省高官が家族に通告

中国の民主活動家でがん治療のために刑務所から病院移送されたノーベル平和賞受賞者、劉暁波氏(61)の処遇を巡り、中国司法省高官が28日、劉氏の国外での治療を求める家族に対し、出国を認めない方針を通告したことが分かった。家族に近い複数の支援者が29日、毎日新聞の取材に明らかにした。29日には中国に駐在する一部の西側外交官にも同様の説明があったという。

習近平国家主席は7月4~8日、ドイツのハンブルクである主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するために訪独する。期間中にドイツ、米国との首脳会談が相次いで調整され、劉氏の処遇が議題になる可能性があるため、神経をとがらせている模様だ。

劉氏の支援者は、妻の劉霞さんが中国当局に宛てた手紙をインターネット上に公開。手紙は4月9日付で、霞さんの体調悪化のために劉氏が夫婦での出国に同意し、ドイツ政府の支援で出国を求めていた。ドイツ在住で劉氏が会長を務めていた「独立中文ペンクラブ」の廖天※会長は29日、毎日新聞の取材に、劉夫妻が「第1希望としてドイツ行きを望んでいる。我々は中国政府の返事を待っている状況だ」と明かした。米独両国が出国を支援しているという。

支援者によると、中国司法省高官は28日、劉氏が入院する遼寧省瀋陽市の病院で、霞さんら家族に対し、劉氏の出国は認められないと通告。翌日には一部の西側外交官に対して「劉氏は適切な治療を受けている。病状を考慮して移動はさせられず、出国させられない」と説明したという。

こうした通告に合わせたかのように中国側は28日になって劉氏の詳しい診療経緯などを公表する異例の動きをみせ、劉氏の処遇を正当化する印象操作によって国際社会の批判をかわす狙いがあると言えそうだ。

瀋陽市司法局は28日、劉氏が5月31日に定期健診で異常が見つかり、6月7日に「肝臓がんが全身に転移」との診断が確定した経緯をホームページで発表し、「劉氏と家族は診療活動に満足している」とした。

同じ28日の深夜には、劉氏の服役、診察中の様子とみられる映像が動画サイトに投稿された。撮影日や入手経緯は不明。劉氏とみられる男性が服役中に、霞さんとみられる女性と面会し、「健康診断の結果は良かった」と話していた。別の場面では刑務所の待遇に「とてもよくしてもらっている」と話す姿も記録されていた。

※は「王へん」に「其」




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