子猫救うぬくもりを 水戸の小松崎さんが3匹の飼い主募集

猫ブームの陰で、県内では毎年、二千匹を超す猫が殺処分されている。ほとんどが、飼い主のいない猫が産み落とした子猫だ。自宅の敷地内で生まれ、飼えずに困る人もいる。犬猫の殺処分ゼロを目指す県条例施行から間もなく半年。県は飼い主のいない猫を地域住民が共同で世話する「地域猫活動」の普及に本腰を入れる。 

県動物指導センター(笠間市)は、子猫と、病気やけがで自力では生きられない猫を受け入れている。引き取った猫は、動物愛護団体を通じて飼い主を探すが、多くは引き取り手が見つからないのが現状だ。

県生活衛生課によると、二〇一五年度にセンターに収容された猫は二千六百八十四匹。このうち三百四十九匹が愛護団体に引き取られたが、残りの約二千三百匹は殺処分された。九割以上が飼い主の分からない子猫だった。

「子猫は数時間置きにミルクを与えなければならない。体が弱っているケースもあり、飼うのに手間がかかるためでは」と県の担当者はみている。

殺処分を減らそうと、センターは二十年以上前から犬猫譲渡情報バンクを運営している。「あげたい」人と「もらいたい」人から相談を受け、仲介役の愛護団体を紹介する仕組みだ。しかし昨年度、譲渡が成立した猫は三件だけだった。

愛護団体側にも限界がある。県内を中心に犬猫を一時的に保護して引き取り手を探す団体「あにまるさぽ~と きずな」代表の渡辺ミヤ子さん(68)は、自宅で犬十一匹、猫四匹を飼っている。「あまりにも数が多すぎて保護しきれない」と厳しい現状を打ち明ける。

飼う場合でも、注意が必要だ。水戸市の小松崎道弘さん(86)宅で先月中旬、自宅の庭先で、飼い主のいない雌猫が産んだ子猫三匹を見つけた。三女の喜代枝さん(57)によると、以前に飼っていた雄は、去勢手術をしないまま家の外に出られる状態で飼っていたという。

雄は昨年六月に死んだが、仲良くなっていた雌がすみ着いてしまったらしい。道弘さんは認知症気味だが、雌をかわいがっていた。

喜代枝さんは、これをきっかけに雌に不妊手術をすることを決断した。それでも「とても三匹は面倒をみられない」と子猫の扱いに困り果てている。「センターに送るより、かわいがってくれる人に託したい」と飼い主を探している。

引き取り希望者は小松崎さん=電029(251)2689=へ。 

◆地域猫の不妊・去勢 手術費、全額補助へ

飼い主のいない猫を減らそうと、県は6月ごろから、年間200匹をめどに地域猫の不妊・去勢手術費用を全額補助する。

地域猫の条件は、あらかじめ餌や水を与える場所を決め、住民が排せつ物を処理し、周辺の清掃もすること。地域猫を世話する2人以上のグループで申請すれば補助を受けられる。

地域猫活動は全国的な広がりを見せている。県内でも多くのグループが取り組んでいるが、これまでは一部の市町村を除き、手術費用は自己負担だった。県は今後、地域猫について地域の理解を深める住民説明会も計画している。




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