「ローソン+地方食品スーパー」流通連合は全国に広がるか 三菱商事が仕掛けるワケ

三菱商事は1440億円を投じ、ローソンの持ち株比率を33.4%から50.11%に引き上げ、9日に子会社化した。商社ならではの強みを生かして業界での巻き返しを狙う。同時に地方食品スーパーとの連携強化も進めており、緩やかな流通連合が業界再編の起爆剤になる可能性もある。

三菱商事の生活産業を率いる京谷裕常務執行役員は10日のローソン子会社化に関する記者会見の席上、「地方の食品スーパーとの連携強化を進めたい」と意欲を燃やした。

ローソンが提携する沖縄の食品スーパーのサンエーや四国・高知のサニーマートとの店舗展開での協力を引き合いに、こうした関係を他の地域でも広げたい意向を示した。

三菱商事は昨年11月に10%強を出資している北陸3県に展開する食品スーパーのアルビスと戦略提携。役員派遣や出資比率の引き上げも検討しており、これに続く第2弾もありそうだ。

三菱商事の流通事業への投資の先がけは1993年の食品スーパー大手のライフコーポレーションへの出資にさかのぼる。これに続く、消費者目線の商品開発を目指し、2000年にローソンに出資した。

ライフコーポレーションとは出資を機に関係を強化。今の岩崎高治社長は三菱商事の出身で、数回のライフへの出向を経て、一代でライフを築いた創業者の清水信次会長から三顧の礼で迎えられた経緯がある。

国内流通は少子化による市場縮小に加え、創業者の高齢化で後継者不足が最大の悩み。一方で、経営人材の派遣や海外市場開拓は商社のお家芸だ。それだけに流通側には経営人材を商社から迎え入れたいという思惑がある。

首都圏中心のディスカウント型食品スーパーのオーケーもそうした事例の1つだ。昨年6月には三菱商事出身の二宮涼太郎氏が社長に昇格した。北海道を基盤とする食品スーパー、アークスなどにも人材を派遣する。

地方の食品スーパーとの連携強化により、地方の食材や特産品を使ったローソンの商品開発につなげると同時に、海外からの原料供給で規模のメリットをいかせば、流通連合全体の収益力強化を期待できる。物流の共同化による効率経営や三菱商事系の共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」の導入などは地方スーパーにも大きな利点だ。

三菱商事が流通強化に一段とアクセルを踏む背景には、流通業界での生き残りに加え、ここ数年の食料上流の大型投資がある。対象のノルウエーのサケ養殖事業やコーヒー、カカオなどが強みのシンガポール商社から調達した食品原料を流通連合に供給すれば、大きな相乗効果が見込める。

コンビニエンスストアだけではなく、地方の食品スーパーもご多分に漏れず、有力スーパーを軸にした業界再編が進む。三菱商事との緩やかな連携は地方スーパーの生き残り策の側面もあり、再編に拍車をかけそうだ。




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170226-00000511-san-bus_all