原発事故から6年 願い実現 塩谷で町独自の甲状腺検査

塩谷町は18日、2011年3月の東京電力福島第一原発事故当時18歳以下だった町民を対象に、町独自の甲状腺エコー検査を初めて実施した。同町は原発事故で発生した高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場の候補地となっているが、一貫して建設反対の姿勢を続けている。東日本大震災から間もなく6年。人口約1万2000人の町は、いまも原発事故がもたらした「負の遺産」と向き合う。 

会場となった町内の道の駅「湧水の郷(さと)しおや」には、午前八時半に受け付けが始まる前から多くの希望者が訪れた。

長女(6つ)を初めて受診させた母親(30)は「震災後に家でつくっている野菜を食べさせたり、外で遊ばせたりしていて『何かあったらどうしよう』と不安を感じていた。町が定期的にやってくれることで不安も軽くなる」と話す。

町によると、検査対象は約千八百人。検査は二十六日にもあり、二日間で事前に申し込んだ約三百四十人が受診する予定だ。一七年度以降も続ける。

甲状腺は放射性物質がたまりやすい。影響を考慮し、福島県では、国費での子どもらの甲状腺がんの定期検査が続いている。

一方、隣接する県内でも事故直後から北部の地域を中心に放射線の影響が広がった。幼い子どもを持つ母親らから福島と同様の検査を求める声が相次いだが、実現に至っていない。

塩谷町では、市民団体などが協力し、民間基金を活用した検査が複数回行われてきた。しかし、市民団体側は「民間での検査では限界がある」として、町費での実施を切願していた。

中心となって活動してきた「甲状腺エコー検査矢板塩谷実行委員会」の大山香織さん(52)は「民間検査では一度に百五十人程度が限界だった。町が行うことで検査の必要性もこれまで以上に知ってもらえる」と歓迎した。自身も十代の三人の子どもを持ち、この日は会場で検査を見守った。今後は、近隣の自治体にも行政主導の検査実施を求めていくという。

同じく実行委の岩間綾子さん(49)は「この六年、歯がゆい思いをしてきた親も多いはず。国は子どもの命を守る政策をもっと真剣に考えて」と強調した。

指定廃棄物の処分場問題を巡っては、一四年七月に国の選定で町内の国有林の一部が候補地となったが、選定の経緯や候補地自体が不適切などとして町は反対の立場を貫いている。




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