男性の育休取得率100% 川崎信金が15年度達成「休みやすい雰囲気に」

川崎信用金庫(川崎市川崎区)では昨年度、子どもが生まれた男性職員三十三人全員が育児休業を取得した。休みを取りやすい環境が広がることで、誰もが仕事と家庭を両立して生き生きと働ける職場づくりにつながると、人事担当者らは期待している。 

審査部の内藤健太郎さん(36)は、妻(37)の出産を一カ月後に控えた昨年六月、かつての上司で人事教育部長の青木隆さんから一カ月間の育休取得を勧められた。

「相手のある仕事なので一カ月休むのは不安だけど、半分ならなんとかなるかもしれない」。審査部長の熊谷雅仁さんに相談し、十月半ば、男性職員としては最長となる二週間の育休取得に踏み切った。「上半期の決算が九月に終わり、月末の繁忙期にもかからないタイミングで」と考えた。

共働きで家事には慣れていたものの、子どもが泣けば中断して抱っこしなければならなかった。「自由がなくなる」という感覚はあったが、妻を趣味のサーフィンに送り出せたし、親族を招いて長女のお食い初めもできた。

同信金では、二〇一〇年六月から、男性の育休取得を促そうと最初の三日間を有給にしたが、一二年度まで男性の取得者はなかった。だが、一三年度に一人が取得、その後は、一四年度に子どもが生まれた男性職員四十一人のうち三十六人が、一五年度は三十三人全員が取得した。

職員向けの月報などで体験記を掲載したり、育休取得の権利がある職員のリストを所属長に示したりして、取得を促してきた。同信金では原則、子どもが一歳になるまで育休を取得できるが、ある幹部職員が「まじめで休むことに罪悪感がある」というように、多くの男性職員は有給分の三日間しか休まないという。

内藤さんは「自分の育休取得が若手にとって気兼ねなく休めるきっかけになれば」と話す。チームで一緒に仕事をする滝田恭介さん(33)は昨年十一月に長女が生まれた。「取っていいのかな、という気持ちはあるが、目の前に前例があるのは心強い」と育休取得を検討している。

人事教育部長の青木さんは男性職員の育児休業取得率が100%となったことで、同信金内で「休みを取りやすい雰囲気につながる」と話す。実際に昨年、年次有給休暇の取得率も69%と、前年から13ポイント上昇したという。




http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201702/CK2017021002000167.html