即戦力養成へ林業大学校=人材不足で開設相次ぐ―就職先に橋渡し

戦後に造成された人工林が伐採期を迎え、林業の担い手不足が深刻化している。

東京五輪・パラリンピックの施設への利用促進など、国産木材の需要増加も見込まれ、即戦力となる人材の育成は急務。こうした中、林業大学校の開設が各地で相次いでいる。

都道府県により設置されている林業大学校は、2011年度以前は全国に6校しかなかったが、現在は14校。17年度にも岩手、兵庫、和歌山の各県で開設の予定だ。

京都府立林業大学校(京丹波町)は、12年4月に西日本第1号として開校。高卒者を対象とした2年制の「森林林業科」(定員20人)は、全国で初めて高性能な林業機械の操作研修を取り入れ、資格も取得できる。これまでに送り出した卒業生58人のうち、約9割が林業関係の職に就いた。林野庁によると「京都の林大を卒業すると業界から引く手あまた」という。

高い就職率の背景には、2年生の9~10月に林業関係企業や森林組合などで行う実務研修がある。学生が希望する二つの異なる研修先に行き、1カ月ずつ現場を体験。「希望する就職先がイメージ通りか評判だけでは分からない。受け入れ先も学生を見極める機会になる」(山崎拓男副校長)と、就職先への確実な橋渡しを重視している。

高知県立林業学校(香美市)では15年4月、1年間の基礎課程が開講。カリキュラムの7割を実習に充て、就業に必要な12の資格(修了証)を1年間で取得できる。県森づくり推進課によると、他の林業学校では2年間のコースが一般的だが、「短期間で技術を学び早く就職したい」という社会人経験者らのニーズに合っている。

15年度は14人の卒業生全員が県内の関係企業などに就職するという高いマッチング率となっている。18年度からは、基礎課程よりも詳しく学びたい人を対象に、1年間の専攻課程を設け、本格的に開校。木造建築や木材加工、急峻(きゅうしゅん)な斜面で木材を運ぶ「架線技術」を専門的に学べるようになる。

林野庁研究指導課の中島朝長課長補佐は「(林業分野は)経営基盤の弱い事業者も多く、人材育成が負担となる。そのため、基本動作を身に付けた人材を雇いたい」と語り、林業大学校のニーズはますます高まると指摘。一方で相次ぐ開校には「将来的に学生の奪い合いになることを心配している」。中島氏は隣接する県が連携した林業大学校の設置も一つの方法だとしている。 




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