2017年は大政奉還150年 「志国高知 幕末維新博」へ行こう

150年前の大政奉還、翌年の明治維新。激動の時代を生き、地域や国の未来のため奔走した人々が、都から遠く離れた土佐にもいた。坂本龍馬や山内容堂、武市半平太…。彼らが何を見、感じ、どう動いたのか。2017年3月から2年にわたり、高知県内では歴史を軸にした博覧会「志国高知 幕末維新博~時代は土佐の山間より~」が開かれる。 

会期中は、高知県立の高知城歴史博物館と坂本龍馬記念館をメイン会場、こうち旅広場をサブ会場とし、そのほか県内20の地域会場で、地域の偉人や歴史に触れる展示やイベントなどが企画される。人々を育んだ土壌や豊かな食も含めて、周遊を楽しめるプランも検討が進んでいる。

あなたの住む街の石碑に、博物館の史料に、地域の記憶の中に、時代のロマンに近づく道しるべが残されているかもしれない。歴史に学び、高知の魅力に触れる旅に出てみませんか―。

①北川村立中岡慎太郎館(北川村柏木)

中岡慎太郎館(北川村柏木)は、慎太郎の新たな人物像を探るものや西南戦争と高知の関わりに着目したものなど、4月以降に順次、企画展を開く。

大政奉還150年を記念した春季企画展「中岡慎太郎『倒幕の決意』」は4月29日~6月26日。慎太郎自筆の手紙をはじめ数多くの史料を展示し、山内容堂らによる「四侯会議」の失敗など、慎太郎が倒幕を決意した背景を解説する。

学芸員の豊田満広さん(44)は「慎太郎には武闘派のイメージがあるが、段階を踏んで大政奉還を考え、ヒューマニストだった点に注目してほしい」と呼び掛ける。

10月からは西南戦争と立志社の関わりを紹介する「西南戦争と土佐挙兵計画について―立志社の獄―」。豊田さんは「維新史が注目されるチャンス。土佐の多様性をじっくり見に来てもらいたい」と話している。

②高知県立歴史民俗資料館(南国市岡豊町)

南国市岡豊町の高知県立歴史民俗資料館は、幕末維新博関連の企画展を通年で計5本予定している。第1弾は「幕末の土佐 書跡にみる人物群像」(1月29日~5月10日)。

会期前半は維新博のプレ企画展と位置付け、3月4日から展示を入れ替えて後期展とする。前期展の見どころは、1854年の安政の大地震の際、謹慎中のため何もできなかった自分を「罪人」と称した吉田東洋の漢詩など。

③高知県立高知城歴史博物館(高知市追手筋2丁目)

高知城に合わせた石垣やしっくいの壁が美しい、高知県立高知城歴史博物館(高知市追手筋2丁目)。新たな歴史研究と観光の拠点として3月4日にオープンし、歴史の深奥に人々をいざなう。

土佐藩主・山内家に伝わる古文書や美術工芸品などの史料約6万7千点を所蔵。維新博の会期中には、幕末や明治維新にスポットを当てた展示会などを計22回予定している。

オープン直後に開催する海援隊結成150年記念の特集展には、大政奉還建白書写などが登場。その後も大政奉還150年記念展などで、時代の転換期を生きた人や当時の社会像を掘り下げていく。

④高知県立坂本龍馬記念館(高知市浦戸)

高知県立坂本龍馬記念館(高知市浦戸)は、坂本龍馬が姉の乙女に宛てた手紙など、龍馬の人柄をしのばせる貴重な史料を所蔵する。

維新博を前に1月7日、「収蔵資料でふりかえる・坂本龍馬記念館25年のあゆみ展」が開幕。ただ、3月末までの会期の後、4月からは新館建設と既存館の改装のため、全館休館となる。

グランドオープンは、維新博が第2幕に入る2018年春。龍馬や彼にまつわる人々の軌跡などを、さらに深く発信していく。

また、龍馬暗殺から150年の節目に当たる17年は、1~9月にかけて岡山、熊本、東京、広島の4都県で巡回展も実施する。龍馬の手紙など多くの史料を公開し、龍馬の人物像を各地に伝える。

⑤佐川町立青山文庫(佐川町甲)

青山文庫(高岡郡佐川町甲)は、佐川町出身で宮内大臣を務めた田中光顕(1843~1939年)から寄贈された歴史的史料を納めている。

坂本龍馬、中岡慎太郎、武市瑞山ら高知県出身の志士に加えて、西郷隆盛、木戸孝允ら、幕末―明治期の同時代を生きた偉人たちがしたためた書状や絵画などを数多く所蔵。維新博でも、これらが展示品の目玉となる。

青山文庫の藤田有紀学芸員(43)は「直筆の史料から、多くの志士がさまざまな思いを抱き、国事に関わった時代であることを体感してほしい」と期待している。

近隣には藩政期の郷校だった「名教館」や白壁が美しい町並みがあり、散策も楽しめる。

⑥ジョン万次郎資料館(土佐清水市養老)

ジョン万次郎資料館(土佐清水市養老)では3月から、クイズ形式でジョン万次郎の功績を学ぶ「ジョン万検定」をスタート。資料館内でタブレット端末を使って楽しめる。

漂流し、捕鯨船に救われて米国フェアヘーブンに渡ったジョン万。恩人、ホイットフィールド船長の家に3年ほど暮らし、数学や英語、測量や航海の技術を学んだ。館は船長宅のドアノブが展示され、クラシカルな金具たちが異国の暮らしの薫りを伝える。

隣のティールームでは、店の女性が当時の米国をイメージした衣装で迎えてくれる。運営する顕彰団体「ウェルカムジョン万の会」の田中裕美代表(68)は「ぜひ、当時の万次郎に思いをはせてほしい」と話している。

博に合わせ、館のあるあしずり港と万次郎の復元生家のある中浜港などをつなぐ「漁船タクシー」も登場の予定。




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