放置自転車の競売人気 松山市、21年で4508台売却 啓発目的も撤去数は増加傾向

松山市が全国で初めて、1995年度に始めた放置自転車の市民への競売。2015年度までの21年間で計4508台が売却され、市の収入(落札額合計から諸経費を除いた額)は計2717万円になっている。放置自転車リサイクル競売会は今も一定の「人気」を保つが、背景には自転車の放置がなくならないという負の側面がある。

市都市・交通計画課によると、競売の目的は資源の有効利用とともに、放置自転車解消への啓発がある。競売会は年3回程度。年度合計で落札台数が最多なのは1998年度の310台、収入も同年度の206万円が最高。入札参加者は95年度が2476人で最も多かった。ほぼすべての自転車に入札があり、引き取られる。過去5年平均は落札141台、収入106万円、倍率は4・8倍だ。

本年度最初の競売会は11月12日、市総合コミュニティセンター(湊町7丁目)であり、51台に208人が入札(倍率4・1倍)。50台が落札され、落札価格(諸経費など含む)は5500~2万5千円だった。

中学3年の娘用に人気の通学用自転車(現行モデル新車で6万円台)を2万1千円で落札した主婦(44)は「高校進学に備えて購入した。入札額はもうちょっと低くても良かったかも」とにっこり。小学校6年の孫のために同種の自転車を2万1100円で得た男性(71)も「傷も汚れもない。整備もちゃんとしているだろう」と満足顔だ。不具合があった場合、担当課に連絡すれば整備などの対応をするという。

一方、競売用の自転車が「供給」されるのは、放置自転車がなくならないからだ。撤去台数は2011年度を底に増加傾向にあり、15年度の4939台は11年度比21%増だ。返還率は51%。市都市・交通計画課によると、撤去して引き取りのないまま一定期間が経過した放置自転車は、競売や海外への寄付、金属資源として売却などしている。競売や売却の収入はあっても、巡回や撤去などの放置自転車対策費にはとても及ばないという。

同課は「放置自転車は歩行者や緊急車両の障害になる。駐輪場や敷地内に置くよう徹底してほしい」と要請。市は大街道・銀天街商店街やJR松山駅の周辺を自転車等放置禁止区域として対策を強化しているが、そもそも道交法は自転車の放置自体を禁じているという。




https://www.ehime-np.co.jp/article/news201612311121