ワタミ「改名」で復調 業態転換が奏功 屋号隠し批判も

居酒屋チェーンのワタミの業績が回復している。平成20年に新入社員が過労自殺した事件をきっかけに「ブラック企業」のイメージが定着し、客離れを起こしていたが、総合居酒屋の「和民」や「わたみん家」を新業態の「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」に転換し、復調している。

「このまま行けば、通期で黒字化できる」。11月に都内で開いた28年中間期決算の説明会で、ワタミの清水邦晃社長は業績改善に手応えをみせた。

28年中間期の売上高は介護事業の売却などで前年同期比30・6%減の482億円、営業損益は10億円の赤字(前年同期は14億円の赤字)だったが、国内外食既存店売上高は101・8%増とプラスに転じた。「13年以降、半期で100%を超えたのは初めて」(清水社長)だった。

◆低価格に手応え

要因は新業態への転換が大きい。低価格居酒屋が消費者に受け入れられており、ワタミも上期に和民など32店舗をみちのく清流若鶏唐揚げを提供するミライザカに、わたみん家など44店舗をタレの焼き鳥・串揚げの鳥メロに、それぞれ業態転換させた。

ミライザカは転換全店累計売上高が前年同期比33・3%増、鳥メロは45・1%増を記録した。今年度中に和民やわたみん家の100店舗を新業態に転換する。清水社長は「ミライザカと鳥メロの業績が好調で、そちらに注力する」と述べており、来年度以降も新業態を増やす方針だ。

また、和民やわたみん家も、これまでの高価格路線を見直した効果で上期累計客数は前年比0・5%増とプラスで復調傾向にある。同社は12月の忘年会シーズンの客足次第で、29年3月期連結の営業損益は1億円の黒字に転じると予想する。

◆「隠していない」

ワタミの業績回復に関し、一部の経済ニュース番組が「ワタミ隠し」の影響が大きいと報じた。新業態の屋号に「ワタミ」という文字がないため、ワタミグループと知らずにお客さんが入っていると伝えた。一方、この報道に対して「新業態への転換が消費者に受けたのでは」「イメージが悪いのだから屋号にワタミを入れないのは企業として当然だ」との声もある。

ワタミ広報は、ワタミ隠しで業績が回復していると指摘されている点について「さまざまな意見があることは承知している」とした上で、新業態の屋号については「ワタミという文字を意図的に隠しているわけではない」と回答した。

ワタミは長年にわたり、過重労働による新入社員の自殺や賃金未払いなどの問題を起こし、ブラック企業と批判されてきた。27年に社長に就任した清水氏は「世間のブラック企業との批判を真正面から受け止める必要がある」とし、今年には労働組合を発足させるなど、企業体質や労働環境の改善に取り組んでいる。




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