ヘリ選定で特定機種誘導 防衛省、海幕長を訓戒処分

海上自衛隊の次期多用途ヘリコプター(艦載型)の機種選定を巡り、武居智久海上幕僚長が特定の機種が選ばれるよう誘導したとされる問題で、防衛省は十六日、武居氏を訓戒処分にした。防衛監察本部は、業界関係者からの働き掛けは確認されなかったとしながらも、特定の機種を例示したことが公正性の観点から配慮を欠いたと判断した。

記者会見した武居氏は、「海自として不適切と指摘されたのは、組織を預かる者として反省している」と述べた。特定の機種を例示したのは「イメージしてもらうため、現有機種の名を挙げた」と説明した。

この他、武居氏の発言に沿うように企業への要求性能を変更させた当時の渡辺剛次郎・海上幕僚監部(海幕)防衛部長(現教育航空集団司令官)を訓戒、下淳市・装備体系課長(現第二術科学校長)を注意した。

防衛省は機種選定を二〇一四年十月に開始。MCH-101(川崎重工)、SH-60K(三菱重工)など三機種が候補に挙がった。一五年三月に海幕職員から候補機種とともに、選定基準から判断すれば小型機のSHが有利になるという趣旨の報告を受けた。これに対し武居氏は、海自内部で決めた運用構想と整合を図るよう指導。「運用構想上はMCH等の大型機が必要とされていたのではなかったのか」など具体名を挙げて発言した。

こうした発言を受け、渡辺氏はMCHが有利となるよう、要求性能に輸送量などについて項目の変更を反映させた。応募した両社の提案を受け、海幕は一五年十月にSHは選外としたが、防衛監察本部に、選定過程に問題があったとする公益通報があり、特別防衛監察を実施していた。現在選定は中止している。




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