眼にも「がん」ができる

眼にも悪性腫瘍、いわゆる「がん」ができることをご存じですか。眼は眼球、結膜、眼瞼(がんけん)、眼窩(がんか)からできていて、それぞれに異なった腫瘍ができます。眼にできるがんは非常にまれですが、いったいどのような症状が現れるのか知っておきましょう。

◆眼球にできるがんは、子どもと大人で違いがあります。子どもにできるのは、網膜芽細胞腫がほとんどです。光を感知する網膜の元となる網膜芽細胞に発症します。年間に80例ほどで、まれながんといえるでしょう。

◆網膜芽細胞腫は、生後まもなくから3才くらいにまでに発症し、暗い所で瞳が白く光ってみえるのが特徴です。進行すると斜視や視力低下が起こることも。多くは片方だけですが、両目に発症する場合もあります。治療は視力が望めるよう眼球温存のため、化学療法や冷凍光凝固などの局所療法が行われます。ただし、腫瘍の位置や大きさによっては眼球摘出となることもあります。

◆大人にできる眼球のがんで最も多いのは、ぶどう膜悪性黒色腫です。虹彩、毛様体、脈絡膜にあるメラニン色素を作る細胞から発症。年間に50例ほどの非常にまれながんです。初期には自覚症状がありませんが、徐々に視野が欠ける、歪む、ぼやけるといった症状が現れます。痛みはほとんどありません。黄斑近くにできると、視力への影響が大きくなります。

◆ぶどう膜悪性黒色腫の治療は、進行状況によって異なります。眼球温存治療を基本にした放射線療法が選択されますが、腫瘍の大きさや視神経への影響などによって、眼球摘出の手術が必要になる場合もあります。

◆眼瞼がんとは、まぶたにできる皮膚がんの一種です。眼にできるがんの中では多いほうで、ほとんどは良性です。しかし、中高年以上では悪性も多くみられるようになります。まぶたの腫瘍は発見しやすく、治療は腫瘍の切除が原則で比較的予後は良好です。

◆眼窩とは眼球が収まっているくぼみのこと。さまざまな組織があるため、できる腫瘍も色々です。良性のものが多く悪性はまれですが、子どもでは横紋筋肉腫、大人ではリンパ腫や眼窩肉腫、涙腺がんなどがあります。眼窩内に腫瘍ができると、まぶたが腫れたり眼球が押されて突出したりすることで発見されます。

◆良性のものは手術で腫瘍を切除することが基本ですが、眼窩の構造や組織はとても複雑なため難度の高い手術です。後遺症として視力への影響が避けきれないこともあります。悪性の腫瘍は病理検査のあとに、化学療法や放射線療法を組み合わせた治療が基本となります。

◆眼のがんは見た目でわかりやすく、眼球の突出や視力の異常など比較的初期に発見しやすいといえます。しかし、眼腫瘍の診断や治療ができる医療機関が限られているのが現状です。異常に気づいたら早めに眼科を受診し、専門医の検査を受けることが大切です。




http://news.goo.ne.jp/article/kateinoigaku/life/kateinoigaku-20161130101518056.html