特養待機者の実態「まず調べたい」「株式会社参入ありきではない」 規制改革推進会議・大田弘子議長

政府の規制改革推進会議の大田弘子議長(政策研究大学院大学教授)は18日までに産経新聞のインタビューに応じ、特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者の実態把握に乗り出す考えを明らかにした。同会議は特養の施設不足解決を念頭に、特養の運営主体の「多様化」を改革の重点事項に掲げている。ただ、株式会社の参入には自民党の反発が強く、大田議長はまず実態把握から進めて規制緩和が必要か検討し、株式会社参入ありきの議論はしないとクギを刺した格好だ。

特養の運営は現在、社会福祉法人などに限定されている。特養などの不足で多くの高齢者が在宅介護を選ばざるを得ないことは、家族が介護を理由に仕事をやめる「介護離職」の原因となっており、安倍晋三政権が解消を目指している。

大田議長は「例えば特養は大都市では足りないが地方では(定員の)空きがある」と指摘。こうした状況の中、「特養に入れない人が今どういう状態にあるか(まず)調べてみたい。いきなり株式会社を入れるという話ではない」と強調した。

さらに、「施設介護が必要だが、特養に入れず、民間サービスを選ぶ経済力がない人などの場合、何らかの工夫ができないか(検討する)」として、結論を来年6月ごろにまとめる答申などに反映することも視野に入れる考えを示した。

料金が低めの特養は人気が高く、厚生労働省によると、平成26年3月時点で待機者は約52万人。27年には、より介護が必要な人を優先するため、介護保険法を改正し入所資格を原則「要介護3以上」に厳格化した。

ただ、法改正の影響は把握できておらず、課題整理が急務。厚労省は現在、待機者の人数などの再調査を進めており、大田議長は調査結果や会議でのヒアリングなどを総合的に踏まえ課題を整理する方針。重複入所者をどこまで厳密につかめるかなども重要になる。

特養の施設不足解消をめぐっては、公正取引委員会も参入緩和を盛り込んだ規制改革案をまとめている。自民党の社会保障制度特命委員会は「事業の継続性を担保できない」などとして、10月27日の会合では、株式会社の特養開設を認める規制緩和に反対する方針を確認した。




http://www.sankei.com/politics/news/161119/plt1611190011-n1.html