認知症だけではない、年を取ると危機予測苦手に 増える高齢ドライバーの交通事故、どうすればいいのか

高齢者による交通事故が相次いでいる。事故総数は年々減少する一方、高齢運転者による事故の割合は増加傾向が続く。2200万人もの団塊の世代が70歳代後半にさしかかる2025年を前に、社会全体での対策が急務となっている。

警察庁のまとめによると、65歳以上の運転免許保有者数は過去10年間で約730万人増加。昨年末で約1710万人に上った。高齢ドライバーは今後も増えるとみられる。

高齢者事故の予防策として来年3月から導入されるのが臨時の認知機能検査だ。検査で「認知症の恐れ」と判定された75歳以上の運転者全員に医師の診断が義務付けられ、認知症と診断されれば、免許停止か取り消しとなる。

ところが、認知症などといった明確な症状だけが事故の原因ではない。高齢になると運動能力や判断力などが低下し、若い頃と同じように運転できなくなるのが一般的だ。

「機能的な衰えのほか、危険予測が苦手になり周囲の確認や徐行が少ない傾向にある」と、帝塚山大心理学部の蓮花一己教授(交通心理学)は指摘。「自分の運転の変化に気付かないケースがほとんど。『数十年間、無事故無違反だった』という経験があればそれだけ、一度教育しても正しい運転が持続しないことが多い」と分析する。

各自治体は高齢者に対して免許の自主返納を推進するが、移動の手段が狭まることなどから十分浸透していないのが実情だ。国は自動車メーカーの技術開発を推進し、自動ブレーキなど先進安全技術の普及も視野に対策を講じたい考えだ。

蓮花教授は「自動制御システム付きの車を購入する際に補助金を出すなど、高齢者の生活の質を落とさないような対策が必要になってくる」と話している。




http://www.sankei.com/affairs/news/161111/afr1611110033-n1.html