熱いお風呂は心臓や血管に悪影響!?

寒さの増す季節、お風呂に浸かりほっとするひとときは格別ですが、熱いお湯が好き、熱くないとお風呂に入った気がしないという人は注意が必要です。42℃以上の熱いお風呂に入ると、血圧の変動が大きく、心臓や血管に悪影響を及ぼすからです。

◆体が冷えた日には、お風呂に入って体の芯から温まりリラックスするのがなにより。入浴には、とくに3つの健康効果があると知られています。まず、体が温まることで血行が促進され新陳代謝が盛んになり、老廃物などが取り除かれて疲労回復をもたらしコリや痛みをほぐす「温熱作用」。そして、水圧によりやはり血液やリンパの流れがよくなる「水圧作用」、浮力により筋肉や関節の緊張が緩み全身をリラックスさせる「浮力作用」です。

◆健康と美容のためには、38〜40℃の少しぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがよいとされています。一方、42℃以上のお湯に浸かるのは体に悪いといわれます。それはどうしてなのでしょう。

◆38℃のお湯は「ぬるい」と感じる人が多いかもしれません。しかし、浸かるお湯が38℃以上になれば心拍数や心拍出量(1回の心拍により送り出される血液量)は増加し、全身の血流量も増え、手足の末梢血管の血流がよくなります。また、熱すぎないお湯に浸かると自律神経のうち“休息モード”のときに働く副交感神経が優位になって、心身ともにリラックスできます。40℃ぐらいまでなら、このような効果が期待できるそうです。1日の疲れを取って気分を落ち着け、心地よい眠りに就くには最適な温度といえるでしょう。

◆一方、42℃以上のお風呂に入ると、熱の刺激によって“活動モード”のときに働く交感神経が活発になります。すると血管は収縮し、血圧が一気に上昇します。やがて熱さに慣れると血管は拡張し、血圧も下がりますが、この血圧の乱高下が心臓や血管に大きな負担を与えます。最悪の場合、脳血管障害や心血管障害を引き起こしかねないのです。

◆お湯の温度と血圧の変動の関係を、詳しく見てみましょう。あるデータによれば、お湯が38℃だと血圧は入浴直後でもおよそ10mmHgしか上昇しませんでした。その後、6分ほどでほぼ入浴前の数値に戻り、お風呂を出たあとも大きな変化はありませんでした。

◆一方、42℃の入浴では、入浴直後におよそ40mmHgも跳ね上がり、10分間の入浴中に数値は大きく上下しました。そしてお風呂を出たあとは、38℃のときと比べて急に下がりました。熱いお湯での入浴が、より血管に負担をかけるのは明らかなのです。

◆入浴時の急激な血圧変動といえば「ヒートショック」も忘れてはいけません。脱衣所や浴室が寒いと、熱を奪われないように血管が収縮し、血圧が上がります。その後、お湯に浸かると急激に下がりますが、お湯から出て寒い脱衣所に戻ると血圧は再び上昇します。ヒートショックは、こうした血圧の乱高下のこと。突然死も招きかねない恐ろしい症状で、やはりお湯が熱いと血圧の変動が大きくなり、リスクは高まります。

◆また、お湯が熱いとあまり長湯ができないもの。数分で出てしまうと、体の芯までは温まりません。そのことが湯冷めしやすい原因にもなります。

◆もうひとつ注意してほしいのは、温泉での入浴です。じつは、温泉で何度もお湯に浸かることは血圧の変動を招き、心臓や血管に負担をかけてしまうのです。温泉ではお酒を飲んで入浴することが多いのも問題です。

◆アルコールには利尿作用があり、飲酒後は水分不足になりがち。そのうえ入浴で汗をかくため、脱水状態に陥りやすいのです。もし、飲酒してからあまり時間が経っていないと、血行の促進にともなって急速に酔いがまわり、思わぬ事故につながることもあります。

◆お風呂は、上手に入ればメリットの多い優れたリラックス法です。熱いお湯が好きな人も、できれば40℃くらいまでのお湯に入るよう習慣づけましょう。とくに、血圧が高めの人や高齢者は、急激な血圧変動のダメージを受けやすいので、熱いお風呂は避けてほしいところ。ぬるいお湯も、慣れてくれば物足りなさはなくなるはずです。




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