透析治療受けながら三百名山制覇 “55時間の壁”と戦う

病気のため19歳の時から透析治療を続けている、鍼灸しんきゅう師の上原一浩さん(52)=群馬県安中市磯部=が今月、浅間隠山に登頂し、日本三百名山を制覇した。週末に治療の合間を縫って登山を続け、25年かけて達成した。「仲間がいたからできたこと。各地の病院の協力にも感謝したい。病気があっても、行けないところはなかった」と話している。

透析治療の間隔を55時間以上空けることができないため、登山の前後に最寄りの病院で透析を受けるようにしても丸2日しか時間を取れない。20時間以上休まずに歩き続け、通常なら4泊5日の旅程を2日で踏破したこともある。登山道へのルートが未整備だったり、交通手段が船便頼みの離島など、時間や天候に気をもむ旅が少なくなかったという。

上原さんは農大二高時代に全国高校駅伝に出場するなど陸上選手として活躍。大学1年の時の箱根駅伝の予選前日に、ネフローゼ症候群による腎臓機能の低下が深刻化したため医師に出場を止められた。翌年には透析が必要な状況になった。

教員として働きながら山登りを始め、1997年に日本百名山をすべて登頂した。しばらく山から遠ざかっていたが、2005年ごろに本格的に再開。サークル仲間に協力してもらい、今月16日に三百名山で唯一登っていなかった浅間隠山の頂上で横断幕を掲げた。

次の目標はぐんまマラソンのフルマラソンで3時間40分を切ること。「地元妙義山の鎖場で鍛えられたから、どんなことも苦しく感じない」と新たな挑戦にも前向きだ。




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