今年も北朝鮮の「偽装マツタケ」入荷…15億円の売り上げは核・ミサイル開発に転用か

北朝鮮産マツタケが、不法に日本に入って流通していることが業界関係者への取材で分かった。日本政府は北朝鮮に対する制裁措置で、平成18年から北朝鮮からの輸入を全面禁止しているが、中国を経由して「中国産」の偽装表示となり、制裁を逃れている格好だ。売り上げが核・ミサイル開発に転用されかねない事態に、関係者から懸念の声が上がっている。

■1キロ1万円

マツタケは北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長の秘密資金を扱う「党39号室」の傘下企業が管理し、核やミサイル開発、金委員長ファミリーのぜいたくな暮らしの維持に使われているとされている。

関係者によると、「中国産」に化けた北朝鮮産マツタケは市場で1キロあたり平均8千~1万円ほどで取り引きされている。

日本には9月下旬に出荷されたといい、毎日4トン、多い日には6、7トンが入っている。多ければ10月中旬までに150トン程度が入ってくるとみられ、売り上げは最大15億円になる計算だ。

■「吉林省産」に注意

北朝鮮産マツタケは中国・吉林省の延吉の問屋を経由して日本に輸出されている。延吉で「中国産」と証明する書類が添付され、「中国産」に偽装。「北朝鮮産は混入させない」という趣旨の誓約書も入っているという。

吉林省は北朝鮮に接しており、北朝鮮産と吉林省産のマツタケを検査しても違いは分からないという。だが、吉林省産のマツタケの出荷は9月20日ごろに終わっており、その後、吉林省産として出回っているマツタケのほとんどは北朝鮮産とみられている。

また、北朝鮮産のマツタケは出荷時期が遅いため、本物の吉林省産に比べるとかさの大きさが小ぶりで、関係者は「長年マツタケを扱っている人なら違いが分かるはずだ」と話す。

吉林省経由で日本に北朝鮮産マツタケが入っていることは昨年も確認され、問題化した。このため税関のチェックは厳しくなっているが、別産地である中国・雲南省のマツタケであるように見せかけるため、雲南省や上海を経て日本に入ってくるルートの存在も指摘されている。

■「犯罪に加担」

北朝鮮産のマツタケをめぐっては、中国産と偽って不正に輸入したとして在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の次男らが昨年5月、外為違法違反の疑いで逮捕された。次男はその後、京都地裁で懲役1年8月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡された。

北朝鮮は拉致問題で不誠実な対応を取り続け、核実験や弾道ミサイル発射で国際社会を挑発し続けている。「中国産」とした偽装マツタケを取り扱い、北朝鮮に外貨を稼がせることは、金正恩政権の延命を助け、今も北朝鮮で苦しんでいる拉致被害者を放置していることに他ならない。

拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力会長は「制裁破りで拉致問題に悪影響を与えるだけでなく、日本から北朝鮮の核、ミサイル開発の資金が流れることになり、重大な問題だ。偽装マツタケを取り扱っている業者は犯罪に加担していることを自覚するべきだ」と話している。




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