汚染水増、想定超え続く=タンク不足も解消せず―「凍土壁」運用半年・福島第1

東京電力福島第1原発で、放射能汚染水の増加を抑制するため導入された「凍土遮水壁」の運用開始から半年が過ぎた。汚染水の増加ペースは東電の想定を超えた状態が続き、「1カ月半程度で効果が表れる」との当初の説明は実現していない。汚染水保管用の溶接型タンクは慢性的に不足しており、漏えいリスクの高い建屋に移送する量も増えている。

凍土壁は1〜4号機周囲の土壌を凍らせて「氷の壁」を造り、原子炉建屋などに流れこむ地下水の量を減らし、汚染水の増加ペースを抑えるのが目的。技術的に難易度が高いとして、政府はこれまでに345億円を投じた。運用開始前の汚染水増加量は1日平均500トンだったが、東電は1カ月半程度で半減すると説明していた。

だが、東電の公表資料によると、効果が表れるはずの5月中旬から直近の9月下旬までの増加量は計約7万5000トン。1日平均約560トンだった。

東電は汚染された護岸付近での地下水のくみ上げ量も、凍土壁の効果を測る指標にしていた。凍土壁が機能すれば護岸付近に流れこむ地下水が減り、くみ上げは1日70トンになると見込んでいたが、それを上回る状況が続く。

「台風で大雨が降った」「地下の一部で凍りにくい場所がある」「凍土壁の内側と外側で地下水の水位に差があるので、氷の壁はできている」。経済産業省資源エネルギー庁と東電は効果が表れない理由を訴えつつ、失敗とは認めない。

だが、汚染水をめぐる状況は深刻さを増している。地下に高濃度汚染水がたまっている原子炉建屋やタービン建屋などは、もともと水の保管を目的として設計されていない。にもかかわらず、溶接型タンクは建設が間に合わず、この1カ月で建屋内の汚染水は約1万6000トン増え、8万6000トン余りとなった。

汚染水が漏れやすく、今年度早期に使用を止めるはずだった簡易型タンクでの保管も続いており、計11万トン以上に上っている。 




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