医学部新設 医師不足解消?過剰に拍車? 地域・診療科の偏り是正必要

国際医療福祉大学が千葉県成田市に予定する医学部新設が26日、認められることになった。特例を除くと38年ぶりの医学部新設で、医師不足解消に期待が集まる一方、学生が一人前の医師に育つころには医師数が過剰になるとの見方もある。問題は医師がいる地域や診療科に偏りがあることで、厚生労働省は年内に医師の偏在対策に関する方針を取りまとめる。

国際医療福祉大によると、来春に新設される医学部の定員は140人で、うち20人は東南アジアなどからの留学生。大半の科目に英語を導入し、海外で臨床実習を受けるなど、国際的に活躍できる人材を育成する。

平成32(2020)年には、約10カ国の言語に対応する640床規模の付属病院を成田市に設立する予定。同大は「4年後の東京五輪・パラリンピックも見据え、国際都市・成田における質の高い医療とサービスの提供をめざす」としている。

医学部の新設は、東日本大震災からの復興目的で特例的に認められた東北薬科大(今年度開設)を除くと38年ぶり。厚労省はこれまで既存医学部の定員増により医師不足解消を図っており、今年度までに1637人が増員、定員は過去最高の9262人となった。

同省検討会では6月、このままだと45年に必要数が確保でき、52年に1万8千人の医師が過剰になるとの見通しが示されているが、国際医療福祉大の医学部新設により、この予測は前倒しになる可能性がある。

ただ、医師数が増えても地域や診療科の偏りが解消されなければ意味がない。厚労省は「医師が自身の勤務地や診療科を選ぶ自主性は尊重しなければならない」としつつ、医師不足の地域や医師が足りない小児科や産婦人科への対策として、奨学金貸与や診療報酬による手当てを実施してきた。

さらに出産や育児で現場を離れることがある女性医師の増加を踏まえ、働き方の実態や意向調査を行っている。今後は、医師過剰地域では保険で診療できる医師数を制限することも検討する。

また、医師の活躍の場は国内の臨床だけでなく、国際医療や行政分野、創薬現場にも広げる必要がある。

厚労省は「32年には世界保健機関(WHO)などの国際組織に日本の医師500人が登録する」などの目標も掲げ、「意向調査などを踏まえて必要な医師数を改めて推計し、医学部の定員を検討していく」という。




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