老犬に訪問介護 床ずれケア、排せつ介助 福岡の広木さん 安楽死の現状知り

老化に伴う排せつ障害や認知症は人間だけの話ではない。ペットの寿命が延びたことで、高齢ペットの世話を支援する新しいサービスが登場している。福岡県久留米市の動物看護師広木千香さん(38)は1月、老犬専門の訪問介護事業を始めた。

ペットも年を重ねれば心身の機能が衰え、介護が必要な状態になる。広木さんによると、老犬は足腰が弱って寝たきりになったり、無駄ぼえや徘徊(はいかい)など認知症のような症状が出てきたりする。このため、家を訪問して、床ずれケアや排せつ介助、機能回復のための運動法などを手伝い、助言する。

広木さんは高校卒業後、動物看護師の専門学校に通った。動物病院での実習初日、犬の安楽死を手伝った。「腕の中で命のともしびが消える瞬間を感じて、悲しみと怒りで涙があふれた」。同時に、飼い主が年を取って世話ができない、共働きで寝たきりの犬の世話をする人がいない、などの理由で安楽死を選ばざるを得ない人がいる現実を知った。

これをきっかけに、飼い主の選択肢を増やしたいと、老犬介護の仕事を志した。ペットショップなどでの勤務を経て、民間団体が認定する「老犬介護スペシャリスト」の資格を取得した。

訪問介護の利用はまだないが、「一日中ほえて困る」「夜なかなか寝ない」などの相談は寄せられる。広木さんは「飼い主と老犬に最善のケアを提供したい」と意気込んでいる。

初めての利用時は、犬の状態や家の様子、家族構成などを知るためのカウンセリング(3500円)が必要。2回目以降の介護料金は、犬の大きさや健康状態による。小型犬(体重10キロ以下)で寝たきりでない場合は1時間4200円、寝たきりの場合は同5200円など。




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