<乳幼児栄養調査>ゆとりない家庭、魚や野菜少なめ

経済的な暮らし向きにゆとりがないと感じている家庭の子どもは、魚や野菜などを食べる頻度が低い一方、菓子やカップ麺などを食べる頻度が高い傾向にあるとの調査結果を、厚生労働省がまとめた。家庭の経済状況と子どもの食事内容の関連を調べたのは初めてで、24日公表した2015年度の「乳幼児栄養調査」に盛り込まれている。

調査は乳幼児の食生活改善に役立てるため10年ごとに実施され、昨年度が4回目。全国の6歳までの子ども3871人の親から回答を得た。今回は初めて家庭の経済状況と、主な13品目を子どもが食べる回数の関連なども調べた。

経済的に「ゆとりがある」(全体の8.4%)と「ややゆとりがある」(20.9%)と回答した家庭の子どもは、49.5%が魚を週4日以上食べていたが、「あまりゆとりはない」(28.3%)と「全くゆとりはない」(9.2%)とした家庭の子は34.7%にとどまり、15ポイント近い差があった。大豆・大豆製品▽野菜▽果物−−も同様に約4〜12ポイント、ゆとりがない家庭の方が低かった。

一方、菓子・菓子パン、インスタントラーメン・カップ麺は、ともにゆとりのない家庭の子の方がよく食べており、カップ麺などを食べたことがない子は「ゆとりあり」で24.7%、「ゆとりなし」で15.6%だった。厚労省母子保健課は「栄養バランスが取れていないとまでは言えないが、品目によっては比較的差がある」と分析する。

調査では、子どもに増えているとされる食物アレルギーについても初めて聞き、23.6%がアレルギー症状が出る食べ物を食事から除いたことがあると答えたが、このうち42.1%は医師の指示を受けず自己判断していた。また「過去に除去していた」と答えた人の約6割は、医師の指示なく制限を解除していた。

食物アレルギーは命に関わる場合があるが、保護者の自己判断で必要ない食品まで除くと、栄養バランスが崩れる懸念もある。同課は「医師の指示を仰ぐことが必要」と指摘する。

朝食を食べないことがある子どもは6.4%で、対象年齢などは異なるものの、10年前と似た水準だった。ただし、保護者が「全く食べない」「ほとんど食べない」という世帯では、子どもが「必ず食べる」割合がいずれも約8割に下がり、親の食生活を反映していた。

◇村山伸子・新潟県立大教授(公衆栄養学)の話

小学5年生を対象とした厚生労働省の研究と同様の結果で、幼児の頃からの傾向だと確認できた。ゆとりがない層では大豆製品など安いものも摂取が少なく、お金がなくて買えないだけでなく、健康的な食生活のための知識や意欲、調理技術がないことが影響している可能性もある。

◇川端輝江・女子栄養大教授(基礎栄養学)の話

生活にゆとりのない家庭は、ゆとりのある家庭と比べ、親の年齢が若く、共働きやひとり親も多いと考えられる。子どもの食事内容の差は、金銭的な問題だけでなく、親の食べ物の好みや栄養や健康に関する知識、調理にかけられる時間の差を反映しているのだろう。栄養バランスの偏りは年齢が低いほど将来の健康問題への影響が大きい。生鮮食品は買い物が重要なので、時間の余裕がない家庭でも買い物がしやすい流通システムがあるといい。




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