【気になるこの症状】「におい」に異変を感じたら早期治療を 放置しすぎると回復力低下も

8月7日は「鼻の日」。鼻は呼吸だけでなく、においや風味を感じ取る大事な器官。嗅覚(きゅうかく)が障害されると、生活の質(QOL)が著しく低下する。未治療のまま放置していると、治りにくくなるので早期の受診が肝心だ。

嗅覚障害には、においの感じ方が弱い「嗅覚低下症」、においをまったく感じない「嗅覚脱失症」、違うにおいに感じる「異臭症」、味がおかしい「風味障害」などがある。嗅覚障害に詳しい「松脇クリニック品川」(東京)の松脇由典院長が説明する。

「嗅覚障害があると生活上で食事や香りを楽しめないだけでなく、ガス漏れや火事のこげたにおいにも気づきにくくなるので、命に直結する危険性もあるのです」

嗅覚障害を起こす主な原因は、別項のような病気や薬剤(一部の抗がん剤など)。50代くらいから加齢でも嗅覚は衰えてくるという。

においを脳に伝達する嗅神経は、脳から直接出ていて鼻の中の天井部分の粘膜に分布している。その嗅粘膜がセンサーとなって、吸い込んだ空気に含まれる嗅素(においのもと)をキャッチしてにおいとして感じ取るのだ。

「この脳への伝達経路のどこかに障害が起こることで、においを正常に感じ取れなくなるのです。たとえば、慢性副鼻腔炎ではポリープがあって嗅素が嗅粘膜に届かない、あるいは嗅粘膜自体にポリープができていることもあります」

いずれの原因にしても嗅神経は使っていないと、時間経過ともに萎縮していくという。放置期間が長ければ長いほど、治療をしても嗅覚の回復が悪くなるのだ。

「たとえば嗅覚障害の期間が5年以上だと、5年未満に比べて治る確率が10倍も低くなります」

嗅覚障害の程度を調べるには、T&T基準嗅力検査(ニオイ紙をかぐ)、アリナミンテスト(静脈注射)、カード型嗅覚識別検査などの嗅覚検査を行う。そして、障害部位に応じた治療が行われる。慢性副鼻腔炎であれば内視鏡によるポリープの除去など、アレルギー性鼻炎では薬で粘膜のむくみを取ったり、手術で鼻の通りをよくする。

「かつては、かぜなどのウイルスによる嗅神経細胞の障害は治りにくいとされていましたが、早期に嗅神経の再生を促す漢方薬を使用することで当院の成績では60%以上が改善しています」

頭部外傷後(頭を打つなど)や薬剤性の場合も漢方薬やビタミンB12などの内服薬を使って治療するという。

特に男性は嗅覚障害に気づきにくい。においの感じ方に違和感があったら、早めに嗅覚専門外来で診てもらおう。

《嗅覚障害の 5大原因疾患》 

(1)慢性副鼻腔炎(約34%) (2)感冒(かぜやインフルエンザなど)罹患(りかん)後(約20%)(3)アレルギー性鼻炎(約6%) (4)頭部外傷後(約6%) (5)薬剤性(2%)




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