無年金者対策 救済は早くて来秋 年金資格期間短縮、準備に11カ月 

政府が無年金者対策として平成29年度中の実施を予定する年金受給に必要な加入期間(受給資格期間)を25年から10年に短縮する措置について、前提となる年金機能強化法改正案の成立から新たな年金の支給まで約11カ月間かかることが31日、分かった。厚生労働省は秋の臨時国会で改正案を提出、成立を図る方針だが、無年金者の救済は早くても来年秋からとなる見通しだ。

現行の年金制度は25年以上の加入期間(保険料免除期間も含む)がないと年金を受け取れないため、24年8月成立の年金機能強化法で消費税率10%引き上げと同時に受給資格期間を10年に短縮すると決めた。消費税増税の再延期に伴い先送りの観測も出ていたが、安倍晋三首相が参院選後の記者会見で「無年金問題は喫緊の課題。来年度からスタートできるよう準備を進める」と表明。29年度中の実施方針が2日に閣議決定される経済対策にも盛り込まれる。必要な国費は満年度で年間約650億円となる。

実施にあたっては年金機能強化法の改正が必要になるが、厚労省の試算によると、改正案の成立後、事務作業の業者選定に2カ月▽対象者(64万人超)への支給請求書の送付に5カ月▽返信された支給請求書のデータ入力に1・5カ月-など、新たな年金の支給開始まで約11カ月かかることが判明。今年末に改正案が成立した場合、支給開始は来年10月ごろとなる予定だ。

ただ、秋の臨時国会では、継続審議になっている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織改革や年金給付抑制の強化策などを盛り込んだ年金制度改革関連法案との一括審議になる見通し。野党はGPIFの27年度の運用実績が5兆3098億円の巨額赤字だったことを徹底追及する構えで、審議が難航して改正案の成立が来年の通常国会の3月末にずれ込むと、支給開始は再来年の2月ごろになる可能性もある。公明党が早期の支給開始を求めていることもあり、厚労省は秋の臨時国会で最優先に改正案の成立を目指す方針だ。




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