背信行為に地元失望 矢後県議、支援者会合で謝罪

「県民の信頼を損ねた」「職を辞したい。皆さんのお許しをいただきたい」。政務活動費の架空請求を認めた前県議会副議長の矢後肇氏(56)は15日、地元の高岡市戸出地区で開かれた連合後援会の会合で、支援者に謝罪し、議員辞職する意向を伝えた。支援者は本人の意思を淡々と受け止めた様子だったが、中には説明までに時間がかかったことに不満を漏らす声もあった。 

戸出コミュニティセンターで開かれた会合は非公開で行われ、自治会役員や地元企業の代表、地元市議ら30人ほどが集まった。

出席者によると、地元市議の1人が架空請求発覚後の経緯を説明。矢後氏が約15分間、神妙な表情で謝罪の言葉を繰り返し、議員辞職する考えを伝えた。支援者からは「重い決断をした」との声があったが、質問は出なかったという。

約40分で終了した会合後、大井弘連合後援会長は「残念でならないが、失態は失態。(辞職は)本人の意思を尊重するしかない」と無念さをにじませた。

矢後氏の自宅がある醍醐地区の小林紀孝振興協議会長は「本人が出した結論に従うしかない」と淡々と話し、別の男性は「もっと早く本人の口から説明してもらいたかった」とした。「議員辞職の意思が固かった」と受け止める出席者もいた。

矢後氏は会合後、報道陣の問い掛けには一切答えず、支援者に囲まれるように車に乗り込んだ。

■ 野々村事件後も不正か

矢後氏が、野々村竜太郎元兵庫県議の詐欺事件を受けて架空請求をやめたと説明していた2014年9月以降も、収支報告書に虚偽の記載をしていた疑いがあることが15日、分かった。矢後氏は少なくとも15年2月まで、高岡市内の書店で専門書や文具を購入したとする領収書を収支報告書に添付しているが、実際は雑誌を購入していた可能性がある。

10~14年度の収支報告書によると、矢後氏は問題となった南砺市の書店以外にも高岡市の2書店で専門書や文具など31件、計約15万円分を購入したとしている。

だが高岡市の書店によると、15年2月にUSBメモリーなどを購入したと収支報告書に記載された商品について同店では取り扱いがなく、売買記録もなかった。収支報告書に添付されている領収書は同店のものだが、雑誌などを購入した際に発行したものとみられる。

もう一方の同市の書店によると、10年5月に「廃棄物リサイクル六法」と文具の購入費として報告されていたが、実際には同額分の週刊誌を購入していたという。

矢後氏は13日の会見で、14年9月以降は架空請求をやめたとし、高岡市内の書店に関する収支報告書には不正はないと話していた。

■ 批判の電話やメール100件超 県議会事務局など

政務活動費不正問題を受け、県民から矢後氏本人や議会への批判が相次いでいる。13~15日に県議会事務局や県広報課に寄せられた電話やメール、手紙は、15日午後7時の段階で計108件に上った。

多かったのは「議員辞職すべきだ」との声。「犯罪なので告訴・告発してほしい」「政務活動費を廃止すべき」という意見や、事務局や会派のチェックの甘さを指摘する声もあった。

■ 事実関係の究明を議長へ申し入れ 「みんなの会」

政務活動費不正問題を受け、県労連や県高教組などでつくる「明るい富山県政をみんなでつくる会」は15日、事実関係の究明と再発防止の徹底などを大野久芳県議会議長に申し入れた。

メンバー4人が議長室を訪れ、申し入れ書を提出。米谷寛治代表委員は「政治家のモラルと責任が問われている。県議会として適切に対応してほしい」と要請した。

議長は今回の問題に対して改めて陳謝した上で、県議会の代表者会議を開いて対応を検討することを伝えた。




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