焦げはがん発症に関係がある?

肉や魚、トーストなど香ばしい焦げ目は、おいしさが増す要素でしょう。その一方で、黒く焦げた部分を食べるとがんになるという話はよく耳にします。焦げは本当にがん発症と関わりがあるのでしょうか。

◆私たちが口にする食品の中には、自然なものであっても過剰に摂取すると健康を害するものがあります。アクリルアミドもその一つ。炭水化物などに含まれるアミノ酸のアスパラギンが、ブドウ糖・果糖といった糖類と一緒に120℃以上の高温で加熱されると化学反応を起こし、その過程で発生します。

◆アクリルアミドは、ジャガイモを原材料としたスナック菓子、小麦粉など穀物からできたクラッカーやビスケットなど、さまざまな加工食品に含まれています。そのほか、揚げる、焼くといった調理の際に発生する「焦げ目」の部分に多く含まれています。

◆では、アクリルアミドとがん発症の関連性はあるのでしょうか。国際がん研究機関(IARC)は、動物実験の結果などによって「人に対しておそらく発がん性がある」とする「2A」ランクに分類しています。これを受け、内閣府食品安全委員会はアクリルアミドの健康への影響を検討。2016年2月、アクリルアミドは健康への「懸念がないとはいえず、できる限り低減に努める必要がある」と報告しています。

◆また、日本人のアクリルアミド推定摂取量は、動物実験での発がん性が認められた量に比べると少ないものの、リスク評価の観点では「低減が必要」ということでした。では、日本人はどんなものからアクリルアミドを摂取しているのでしょうか。

◆食品安全委員会の調査では、モヤシ、レンコン、タマネギ、キャベツといった野菜を炒める、揚げるといった高温調理の際に多く発生するとしています。一方で、加工品のポテトチップスやフライドポテトの推定濃度は低値でした。これは、農林水産省が製造者らに向けて指針を作り、アクリルアミド低減への指導を行った成果が背景にあるようです。

◆では、家庭でのアクリルアミド対策はどうすればよいのでしょうか。それには調理方法がカギになります。アクリルアミドは120℃の高温調理で発生するため、食材を煮る、蒸すといった調理法に変えること。例えば、ゴボウやレンコンのきんぴらは、まず弱火で炒め、そのあと蒸し煮をするといいでしょう。バーベキューでは、食材を焦がさないように。農林水産省のサイトでは、アクリルアミドを減らす調理法が紹介されているので参考にしてください。

◆アスパラギンは肉類、大豆、ジャガイモ、モヤシなどさまざまな食材に含まれており、健康維持には欠かせない栄養素のひとつです。また、食中毒予防など安全性の観点からも加熱調理は必要です。つまり、アクリルアミド・ゼロ生活は求められません。ふだんの食生活のなかで、煮る・蒸す・ゆでるなど調理法を工夫すること、焦げ目を減らしていくことが重要となります。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子)




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